シダレヤナギ
万葉集でよまれた草木, 季語-春,無限花序(花は下から上へ咲く)、尾状花序,源氏物語の草木
- 花名シダレヤナギ
- 学名Salix babylonica
- 別名Weeping Willow, 枝垂れ柳, イトヤナギ, Babylon willow, 糸柳, Salix babylonica, 柳, ヤナギ
- 原産地中国
- 開花場所街路、植栽, 川・池
- 開花期3月, 4月, 5月
- 花言葉「自由」「従順」「愛の悲しみ」「わが胸の悲しみ」
シダレヤナギとは
シダレヤナギ(枝垂柳、学名:Salix babylonica)は、中国原産で、ヤナギ科ヤナギ属の落葉高木です。ヤナギ属の総称とされますが、一般にはシダレヤナギのことを指します。別名でイトヤナギ(糸柳)、英名ではWeeping Willowや、Babylon willowと呼ばれます。日本へは奈良時代に中国から伝来しました。全国の湿地に分布しています。しだれ柳は枝が垂れていので「柳」の字が使われます。ちなみに、枝が立ち上がっているものは「楊」の字が使われます。
樹高は10~20 mで、直立した幹から四方に細長い枝を垂れ下げ、涼しさを醸し出します。葉には托葉があり、葉柄を伸ばして、緑色の葉を付けます、葉は、披針形の単葉で葉縁には鋸歯があり、互生して付きます。雌雄異株です。葉の展開前の3月から5月に、葉尾状花序を伸ばし、花を下から上へ咲かせる無限花序に花弁の無い蕊だけの花を咲かせます。花後に蒴果が成り、中に白い柳絮(毛)の有る種子が出来ます。4月に風により花粉を飛散する風媒花です。用途は、樹木を街路樹、公園樹、庭樹に、枝を生け花材や細工用です。
柳は縁起の良い植物
夏の暑さに強く、秋の台風でも折れにくく、冬の雪にも耐え、新になると早々と緑色に芽吹くことから縁起が良い植物とされます。
名前の由来
属名の「Salix」はケトル語の「Sal(近い)」+「Lis(水)」の合成語で、川辺などの湿地に生息する性質に拠ります。
■万葉集のヤナギ1
万葉集 第8巻 143番歌
作者:大伴坂上郎女
題詞雑歌
万葉名:柳
【原文】
打上 佐保能河原之 青柳者 今者春部登 成爾鶏類鴨
【読み】
打(うち)上る 佐保の河原の 青柳は 今は春へと なりにけるかも
【意味】
ほぼ読みと同じ意味です。
打上る 佐保川の河原の 柳に青い若い芽が出た 今はもうすっかり春だなあ。
■万葉集のヤナギ2
万葉集 第10巻 1847番歌
作者:不詳
題詞:詠柳
【原文】
淺緑 染懸有跡 見左右二 春楊者 目生来鴨
【読み】
淺緑 染(め)懸(けた)有(り)跡(と) 見(る)左右(まで)二(に) 春(の)楊(柳)者(は) 目(萌)生(えに)来(ける)鴨(かも)
↓
浅緑(あさみどり) 染め懸けたりと 見るまでに 春の柳は 萌(も)えにけるかも
【意味】
浅緑(あさみどり)色に 染め掛けたように 見違えるほど 春の柳が 芽吹いて来たなあ。
無花被の仲間
ドクダミやトウダイグサと同様、花は花弁や萼が無い、いわゆる、「無花被花(achlamydeous flower)」、または裸花を咲かせます。ヤナギは万葉集で詠まれています。
一般名:シダレヤナギ(枝垂柳)、学名:Salix babylonica、別名:Weeping Willow、Babylon willow、イトヤナギ(糸柳)、分類名:植物界被子植物真正双子葉類キントラノオ目ヤナギ科ヤナギ属シダレヤナギ種、原産地:中国、環境:湿地、生活型:落葉性高木、樹高:10-20 m、葉身:単葉、葉形:披針形、葉序:互生、托葉:有、葉柄:有、葉縁:鋸歯有、雌雄異株、花序の種類:無限花序(花は下から上へ咲く)、花序形:〇尾状花序(catkin)、花弁:無し、雄花:雄蕊だけ、雌花:雌蕊だけ、花径:0.4 cm、開花期:3月〜5月、果実:蒴果、種子:白い柳絮(毛)が有る、繁殖:虫媒花、風媒花、用途:街路樹、公園樹、庭樹、生け花材、細工用。