万167. 蛇に髭があるの? ジャノヒゲ 万葉集
髭があるなら、蛇より、空想上の生物だけど、竜でしょう。
ジャノヒゲ(蛇の髭、学名:Ophiopogon japonicus)は、日本・中国原産で、キジカクシ科ジャノヒゲ属の耐陰性常緑多年草です。別名でリュウノヒゲ(竜の髭)や、ヤマスゲ(山菅)とも呼ばれます。日本全国の林や草原に自生し園芸種も育種されています。草丈は10-20cmで匍匐枝を出して群生し増えます。葉は根生葉で、質は光沢のある濃緑をしており、長さ10~20cm、幅0.2~0.3cmの線形です。葉に隠れて、夏に総状花序を伸ばし、淡紫色又は白色で花径0.7cmの小花を下向きに咲かせます。花後に果実が成りますが、果皮は早く落ちて剥き出しになった種子は種子径0.7cmで青い(瑠璃色)球形をしています。草丈が低く常緑の葉は踏まれても強く株が密に増殖し日影に強いことから、グランドカバーや、ロックガーデン、ゴルフ場に使われます。根は消炎・滋養強壮材の漢方薬「麦門冬」の材料に、茎は食用となります。 万葉集に出て来る「山菅」は、「ジャノヒゲ」なのか、「ジャノヒゲ」を含む「ヤブラン」「オオバジャノヒゲ」の総称なのか不明ですが、ここでは、ジャノヒゲとします。
■万葉集と菅山(ジャノヒゲ)
万葉集 第4巻 564番歌
作者:大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)
題詞:(大伴坂上郎女歌二首)
登場する草木:菅山(万葉名)=ジャノヒゲ
原文
山菅之 實不成事乎 吾尓所依 言礼師君者 与孰可宿良牟
よみ
山菅の 実ならぬことを 我(わ)れに寄せ 言はれし君は 誰(た)れとか寝(ぬ)らむ
意味
山菅(やますげ)のようには 実らない仲を 私にかこつけて 噂されたあなたは 本当はどなたと寝てらしたのかしら。
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