たとえが微妙だなあ、それって褒めてる?👚万葉集草木126.太藺
フトイ(太藺、学名:Schoenoplectus tabernaemontani)は日本、北米、中国、中央アジア原産で、カヤツリグサ科フトイ属の大型水生多年草です。地下茎で横に這い花茎を立てて群落を成します。茎は太くて丸い。 葉は発達せず茎基部に葉鞘があるだけです。茎先から花序を伸ばし1~3個の赤褐色の小穂を付け、初夏に白い糸状の花を咲かせます。花名は茎が太く、イ(藺、学名:Juncus effusus var. decipens)と似ていることに拠ります。茎は敷物や筵を編むのに使われます。
万葉集と植物ーフトイ
於保為具左(万葉表記)→カヤツリグサ科のフトイ(太藺)
万葉集 第14巻 3417番歌
作者:柿本人麻呂(柿本人麻呂歌集)
登場する植物:大藺草(おほゐくさ)、今のフトイ
原文
可美都氣努 伊奈良能奴麻乃 於保為具左 与曽尓見之欲波 伊麻許曽麻左礼
読み
可美都氣(かみつけ)努(の) 伊奈良(いなら)能(の)奴(ぬ)麻(ま)乃(の) 於(お)保(ほ)為(い)具(ぐ)左(さ) 与(よ)曽(そ)尓(に)見(み)之(し)欲(よ)波(は) 伊(い)麻(ま)許(こ)曽(そ)麻(ま)左(さ)礼(れ)
↓
上毛野(かみつけの) 伊奈良(いなら)の沼の 大藺草(おほいぐさ) 外に見しよは 今こそまされ
意味
上毛野(かみつけの) 伊奈良(いなら)の沼に生い茂る 大藺草(おほゐくさ=フトイ) 遠くから見てたよりは 今の方が恋しさがまさります。
上の歌は、見てた時より付き合った後の方が女性への恋しさが勝ると言ってますが、地味で目立たない野草と比較されて、喜ぶ女性がいるのでしょうか、...。
注記
上毛野(かみつけの):群馬県領域の上野国(こうずけのくに)。
伊奈良村(いならむら):群馬県南東部の邑楽郡にあった村。現在の板倉町のこと。
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