万168.入手困難 金木犀 万葉集

中国の伝説曰く、「月には金木犀の大木があり、中秋の名月に月が金色に輝いて見えるのは、金木犀の花が満開になるからだ」と。

キンモクセイ(金木犀、学名:Osmanthus fragrans var. aurantiacus)は、中国原産で、モクセイ科モクセイ属の常緑小高木です。別名でケイカ(桂花)や、タンケイ(丹桂)、モクセイカ(木犀花)、英名ではFragrant oliveと呼ばれます。同属のギンモクセイ(銀木犀、O. fragrans var. fragrans)の変種の一つです。

樹高は3〜4mで、樹皮は灰褐色で幹は良く分枝し密に葉を付けます。葉は緑色で船形、肉厚、皮質です。秋に、葉腋から伸びた総状花序に芳香の強い黄橙色の小さな花冠をたくさん付けます。花冠は鐘形で先端が4裂します。雌雄異株で日本には雄花しか輸入されていないので雌花はありません。雄花には2本の雄蕊があります。花はポプリや桂花酒を作るのに使われます。繁殖は挿し木で行います。


■万葉集と金木犀


万葉集 第4巻 632番歌
登場する草木:楓(万葉名)=金木犀(現代の呼び名)
作者:湯原王
題詞:湯原王贈娘子歌二首
湯原王とは天智天皇の孫かつ志貴皇子の子。求愛に訪れた皇子を家に入れず追い返した娘に対して詠んだ歌

原文
目二破見而 手二破不所取 月内之 楓如 妹乎奈何責

読み
目には見て 手には取らえぬ 月の内の 楓のごとき 妹をいかにせむ

意味
目には見えるが 手に取ることのできない 月の桂(かつら)のような あなたを一体どう扱ったらいいんだろう。

花言葉や詳しく知りたい方はこちらをご覧下さい。

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