家持さんをヨイショ✨万葉集草木73.朴の木

ホオノキ(朴の木、学名:Magnolia obovata)とは日本原産でモクレン科モクレン属の落葉広葉高木です。日本で一番葉が大きく、ラップの無い時代には食器代わりに使われました。タイサンボク(泰山木、学名:Magnolia grandiflora)と似ています。
朴の木のイラストは、有紀@kagikenさんが描いてくれました。


万葉集とホオノキ(朴の木)


万葉集では、「保寶我之婆(ほほがしは=朴の木)」で登場します。


万葉集 第19巻 4204番歌


作者:恵行
題詞:見攀折保寶葉歌二首
天平勝宝2年4月12日


原文


吾勢故我 捧而持流 保寶我之婆 安多可毛似加 青盖


訓読


吾(我が)勢故(背子)我(が) 捧(げ)而(て)持(て)流(る) 保寶我之婆(ほほがしは=朴の木) 安多可毛(あたかも)似(る)加(か) 青(き)蓋(きぬがさ)

我が背子が 捧げて持てる ほほがしは(朴の木) あたかも似るか 青ききぬがさ


意味


「家持さん、貴方が (大きい葉を枝とともに折り取って)捧げ持っておられる ほほがしは(厚朴、朴の木)は あたかも貴人にかざす (1位の人の持つ)青い衣笠に似ていますね。」、と恵行さんが家持さんをヨイショして詠んだ歌。
この歌に対し、家持さんは、「朴の葉を重ねて酒器代わりしただけー」という返歌を詠んでいますが、このお話はまた別の機会で。


注記


衣笠とは貴人に背後からかざした笠。絹で張った長い柄(え)の傘。

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