万156.妻の逆襲 白菅
シラスゲ(白菅、学名:Carex alopecuroides var. chlorostachya)とは、インド~台湾、中国、日本原産で、カヤツリグサ科スゲ属の多年草です。日本では、北海道~九州、沖縄の日本全国の山地の草地や砂礫地の湿った場所に自生します。草丈は50~70cmです。葉は線形で撓み、表が淡緑色で、裏は粉緑色で互生して付きます。雌雄同株で、5月~6月に花茎から穂状花序を伸ばし頂部に8cm程の淡緑色で細長い棒状の雄花と、その下側に6cm程の緑色で円柱状の雌花を3~5個付けます。
シラスゲの名前の由来
スゲ属の植物で、葉裏が白く見えることが名前の由来です。
万葉集とシラスゲ
夫の 高市連黒人(たけちのむらじくろひと)が万葉集 第3巻280番歌で詠んだ歌に対する、妻の返歌です。
万葉集 第3巻 281番歌
作者:高市黒人妻
題詞:黒人妻答歌一首
登場する草:白菅
原文
白菅乃 真野之榛原 徃左来左 君社見良目 真野乃榛原
読み
白菅の 真野の榛原(はりはら) 行(ゆ)くさ来(く)さ 君こそ見らめ 真野の榛原
意味
シラスゲが生える 真野(まの)の榛原(はりはら)を 行き来してる あなたは見てるでしょうが、真野の榛原を(私たちは見てないのよ)。
*真野は、現在の「神戸市長田区真野町」あたりのこと。
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