万葉集と草木染1-君の名は?🌱😍万葉集草木119.紫

ムラサキ(紫、Lithospermum erythrorhizon)は日本原産で、ムラサキ科ムラサキ属の多年草です。根から紫色の染料を採るために栽培されますが、現在では絶滅危惧種とされます。草丈は30-60 cmで。夏に、茎先の葉腋にある苞葉の間から小さな白い漏斗状の花を咲かせます。根は濃紫色で生薬の「シコン(紫根)」の材料や紫色の染料とされます。紫色の染料を採るのに「使われました。


万葉集と紫


万葉集でも「紫」という名前で詠まれています。以下の一首は紫(染料)に焙煎剤としてつばきの灰を入れて紫色の染料を作ることにかこつけた歌を詠っています。


万葉集 第12巻 3101番歌


作者 :不詳
題詞:問答歌(これは問歌の方)
登場する草木:紫


原文


紫者 灰指物曽 海石榴市之 八十街尓 相兒哉誰



紫者(は) 灰指(す)物曽(ぞ) 海石榴市(つばいち)之(の) 八十(やそ)(の)街(ちまた)尓(に) 相(あへる)兒(こ、君)哉(や)誰(たれ)

紫は 灰さすものぞ 海石榴市(つばいち)の 八十の街(ちまた)に 逢へるこ(君)や誰れ


意味


紫色に染めるには (椿の)灰を入れるもの 椿市(つばいち)の 辻で 出逢った君は誰?

「紫は灰さすものぞ」は「海石榴市(つばいち)」を導く序詞。海石榴市は場所名ですが、「つば(海石榴)」と焙煎に使う「ツバキ」をかけています。
「兒哉誰(こや誰)」:この時代、相手の名前を聞くことは求婚を意味します。


詳しくはこちら ... 以下本文に続く


■関連ページ
万葉集と草木染1-君の名は?🌱😍万葉集草木119.紫 かぎけん花図鑑 花日記2023年4月16日  
特集 万葉集でよまれた草木

  • ムラサキ
  • ムラサキ

他の記事