ハギ
Lespdeza
万葉集でよまれた草木
- 花名ハギ
- 学名Lespdeza
- 別名庭見草, 萩, Bush clover, ニワミグサ
- 原産地日本、朝鮮、中国などの東アジア
- 開花場所野原・畦道
- 開花期6月, 7月, 8月, 9月, 10月
- 花言葉「思案」
ハギとは
9月24日の誕生花
ハギ(萩、学名:Lespdeza)とは、日本、朝鮮、中国等の東アジア原産でマメ科ハギ属の落葉低木です。別名で、庭見草(ニワミグサ)、初見草(ハツミグサ)、鹿鳴草(シカナキグサ)、鹿妻草(シカツマグサ)、英名ではBush clover(ブッシュクローバー)と呼ばれます。万葉時代から栽培されており、秋の七草の一つとされます。
草丈は150〜250cmで、基部は木質化して堅く、上部は分枝して垂れ下がります。葉は三出複葉で互生してつきます。6月~10月に、枝先からマメ科特有の蝶に似た口唇形の小花を多数咲かせます。花色は赤紫または白色です。
万葉集人気ランキング一位の「ハギ」
ハギは、万葉集でも読まれており、なんと、木の花ベストワンに選ばれています。「ハギ」を詠った歌は141首もあります。
一位は「ハギ」ですが、2位は何の花でしょうか? 興味のある方は、万葉集人気ランキングをご覧ください。
萩は秋の七草の一つ
萩は、「秋の七草」の1つとして詠われています。 万葉集には、山上憶良が詠んだ 秋の七草 に関する以下の短歌があります。花名を覚えるのに重宝するので掲載します。
「萩の花 尾花 葛花 撫子が花 を皆へし また フジバカマ アサガオが花)」
順に、ハギ(萩) ススキ(薄) クズ(葛) ナデシコ(撫子) オミナエシ(女郎花) フジバカマ(藤袴) アサガオ(今のキキョウ、桔梗)
万葉集と萩
万葉集で詠まれた萩の歌から一首をご紹介します。「湯原王(ゆはらのおほきみ)」という、天智天皇の孫で施基(志貴、しき)皇子の子息で、光仁(こうにん)天皇の弟です。湯原王は政治の世界での華々しい経歴は残っていませんが、万葉後期の代表的な歌人の一人と繊細な19種の歌を残しています。
この歌には、「萩」と「鹿」が出てきますが、万葉時代では、「萩」は女性を象徴し、「鹿」は男性を象徴し一緒に歌に詠われることが多いです。
万葉集 第8巻 1550番歌
作者:湯原王
題詞:湯原王鳴鹿歌一首
原文
秋芽之 落乃乱尓 呼立而 鳴奈流鹿之 音遥者
読み
秋萩の 散りの乱(まが)ひに 呼びたてて 鳴くなる鹿の 声の遥(はる)けさ
意味
萩の花が 散り乱れているところに 妻を呼びだすのに 鳴いている鹿の 声が遠くから聞こえてくる。
百人一首で歌われる
005 奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋は悲しき … 猿丸大夫
008 わが庵は 都のたつみ しかぞすむ 世をうぢ山と 人はいふなり … 喜撰法師
●ハギの品種
ハギの品種には、以下があります。
ヤマハギ(山萩、学名:Lespedeza bicolor)、
ミヤギノハギ(宮城野萩、学名:Lespedeza thunbergii)、
シラハギ(白萩、学名:Lespedeza thunbergii subsp. thunbergii form. albiflora)
マルバハギ(丸葉萩、学名:Lespedeza cyrtobotrya)
など、
各種ハギの特徴
ハギ同士はお互いに似ています。特徴は、
マルバハギは花柄が短い
ヤマハギは花柄が長く、枝は殆ど垂れない。
ミヤギノハギは枝垂れる、枝が枝垂れる。
一般名:ハギ(萩)、学名:Lespdeza(レスペデザ)、別名:庭見草(ニワミグサ)、初見草(ハツミグサ)、鹿鳴草(シカナキグサ)、鹿妻草(シカツマグサ)、Bush clover(ブッシュクローバー)、分類名:植物界被子植物門双子葉植物綱マメ目マメ科ハギ属、原産地:日本、朝鮮、中国などの東アジア、草丈:150〜250cm、葉形:出複葉、葉序:互生、開花期:6月~10月、花色:桃色・赤紫・白、花形:蝶形。
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