ウメ
源氏物語の草木,万葉集でよまれた草木,季語-春,梅シリーズ0,中華民国の国花,梅・ウメ,青梅は猛毒
- 花名ウメ
- 学名Prunus mume
- 別名mume, ムメ, 梅, ume, Japanese apricot, ウメ
- 原産地中国
- 開花場所庭, 果樹園, 園芸品種, 盆栽, 鉢花
- 開花期1月, 2月, 3月
- 花言葉不屈の精神、白梅:「気品」、紅梅:「艶やかさ」
ウメとは
梅(ウメ、学名:Prunus mume) は、中国原産で、バラ科の落葉小高木です。中華民国の国花とされます。日本には奈良時代に中国から渡来し、それ以降長く愛でられており、万葉集にも多数の歌が詠まれています。園芸品種が多数作られており、現在では300種以上あると言われます。幹は湾曲し枝は横に張り出します。若枝は斜上します。
梅の系統には、花を観賞する「花梅」と、果実を収穫する「実梅」があります。梅の種類は、「特集 梅」をご覧ください。
花梅
花梅は、明治時代の小川安村著「梅譜」を基に野梅系、緋梅系、豊後系の3系統に分類されます。
野梅系ー原種に近い、野梅。枝:細い、花:小、葉:小、芳香:有
野梅性、難波性、紅筆性、青軸性
緋梅系ー枝・幹の内部や髄が赤い。花色:紅色。葉:小。
紅梅性、緋梅性、唐梅性
豊後系ー梅と杏子の雑種。葉:大、花色:桃色。
豊後性、杏性
実梅
実梅には、「‘南高、白加賀、小粒南高、古城、玉梅、鴬宿、月世界、甲州最小、豊後(兼、花梅)」などがあります。
早春、若枝の葉が開く前に、総状花序/散形花序を伸ばし、一重または八重の、白または紅、ピンクの芳香のある五弁花を咲かせます。開花時期は桜より早いです。
6月に黄色く結実する果実は干して、梅干や梅酒の材料となる他、 燻蒸した未熟果は咳止め効果のあるウバイ(烏梅)とい漢方薬の生薬ともなります。 生の未熟果は梅肉エキスの原料となります。 成分にコハク酸やクエン酸等の有機酸が含まれます。成熟した果肉は疲労回復、物の腐敗を防ぎますが、 未成熟の果実や中の種を多量に摂取するとシアン中毒を起こし死亡することがあります。
観梅の名所は、関東では水戸の偕楽園や熱海梅園、関西では吉野梅郷で、 梅干しは紀州和歌山産が有名です。また、家紋では、外側にある5個の丸が中央の1個の小さな丸を囲んだシンプルな太宰府天満宮の星梅鉢が有名です。文学では、万葉人が愛でた花木として知られ、また、泉鏡花の「婦(おんな)系図-湯島の境内」に登場する湯島の白梅が有名です。花言葉は、全体:「不屈の精神」、白梅:「気品」、紅梅:「艶やかさ」です。
がぜん興味!令和の起源 万葉集「ウメ」の歌序文
万葉集にはウメを詠んだ歌がハギ(萩、学名:Lespdezap.)に次いで多く、119種あります。梅の歌が多いのは、当時中国から日本に渡ってきたばかりの梅が新規性で人気を博していたと言われます。梅には紅梅と白梅がありますが、万葉集でうたわれるのは全て「白梅」とされます。
和暦が「令和」となり20年以上経ちますが、この令和の起源は「ウメ」の序文にかかれた2語からとられています。その序文とは、どんなものかこれから見て行きましょう。
「令和」の典拠とは
令和という和暦は、『万葉集』で大伴旅人が詠んだ「梅花の歌」三十二首の序文からとられています。
「梅花の歌」序文の原文
天平二年正月十三日 萃于帥老之宅 申宴會也 于時初春『令』月 氣淑風『和』 梅披鏡前之粉 蘭薫珮後之香 加以曙嶺移雲 松掛羅而傾盖 夕岫結霧鳥封 而迷林 庭舞新蝶 空歸故鴈 於是盖天坐地 促膝飛觴 忘言一室之裏 開衿煙霞之外 淡然自放 快然自足 若非翰苑何以 (手偏+慮)情 詩紀落梅之篇 古今夫何異矣 宜賦園梅聊成短詠
読み
天平二年正月十三日 帥(そち)の老の宅(いえ) 宴會(えんかい)を申(の)ぶ 時に 初春の『令』月にして 氣淑(よ)く風『和』ぐ 梅枝は鏡前の粉を披(ひら)き 蘭は珮後(ばいご)の香を薫(かお)らす 加えて 曙(あさけ)の嶺(みね)に雲移り 松は羅(うすもの)を掛けて盖(きぬがさ)を傾け 夕の岫(みね)に霧を結び鳥を封(と)じて 林に迷う 庭に新蝶舞い 空に故鴈(こがん)歸り ここに天を盖にし地に坐し 膝を促(ちかづ)け觴(さかづき)を飛ばす 言を一室の裏に忘れ 衿を煙霞(えんか)の外に開く 淡然に自ら放し 快然(かいぜん)に自ら足りぬ 若し翰苑(かんえん)に非ずは (何を以てか)情をのべむ 詩に落梅の篇を紀(しる)す 古今と夫れ何か異ならむ 宜しく園梅を賦して聊(いささか)に短詠を成すべし
三十二首の最初の歌 正月立ち春の来らばかくしこそ
大伴旅人(おおとものたびと)の邸宅で詠まれた梅の歌三十二首の最初の歌
作者:大弐紀卿(万葉集 巻5-815)
原歌
武都紀多知 波流能吉多良婆 可久斯許曽 烏梅乎乎岐都々 多努之岐乎倍米
読み
武都紀(むつき、睦月)多知(立ち) 波流(春)能(の)吉多良(来ら)婆(ば) 可久斯(かくし)許曽(こそ) 烏梅(梅)乎(を)乎岐(招き)都々(つつ) 多努之岐(楽しみ)乎倍米(をえめ)
↓
睦月(むつき、正月)立ち 春(はる)の来らば、かくしこそ 梅(うめ)を招きつつ 楽しみ終(を)へめ
意味
正月になり 春が来たら このように 梅を見ながら 楽しみましょうよ。
元号「令和」の原点😮万葉集草木シリーズ2.梅 かぎけん花図鑑 花日記2022年12月15日
特集 万葉集でよまれた草木
梅を詠った俳句
この梅に 牛も初音と 鳴きつべし 作者:芭蕉
一般名:梅(ウメ)、学名:Prunus mume、国花:中華民国、別名:コウブンボク(好文木)、ムメ、花の兄 、Japanese apricot、分類名:植物界被子植物真正植物類バラ目バラ科サクラ属ウメ種、生活型:落葉広葉小高木、樹高:5~10m、樹径:0.5〜0.6m、葉形:先端が尖った卵形、葉序:互生、葉縁:鋸歯、葉身長:5〜10cm、葉幅:3~5cm、放射相称花、花序形:散形状総状花序、花色:白・白紅・淡紅、濃紅、咲き方:一重・八重、花径:2~3.5cm、花弁数:5枚か8枚、開花期:(早咲き:12月~)2月~3月、果実型:核果、結実期:6月、実色:黄、果実形:球形、果実径:2~3cm、用途:庭園樹、公園樹、観梅、盆栽、果樹、樹皮は染料、生花、木材、梅干、梅酒、梅シロップ漬け、のし梅、梅ジャム。