カキツバタ
Iris lavigata
万葉集でよまれた草木, 季節-夏
- 花名カキツバタ
- 学名Iris lavigata
- 別名杜若, Kakitsubata, Iris lavigata, Japanese iris
- 原産地日本、朝鮮半島、東シベリア、中国
- 開花場所田んぼ
- 開花期5月, 6月
- 花言葉幸運、雄弁
カキツバタとは
4月29日, 5月13日の誕生花
カキツバタ(杜若、学名:Iris lavigata)は、日本~東シベリア原産で、アヤメ科アヤメ属の耐寒性宿根草(水生多年草)です。草丈は50~70 cmで、葉は剣状です。万葉集の時代から謳われた古典園芸植物で、古くから栽培・育種されています。属名の「Iris」はギリシャ語の「(虹)」、種小名の「 lavigata」は「(無毛の)」と言う意味です。
■開花期は5月~6月
梅雨が始まる少し前の5月~6月に岸辺で花茎を伸ばし、長さ9~10 cmの青紫(稀に、白)の花を咲かせます。
■綾目と杜若の違い
美人を形容するのによく使われる言葉に、「いづれが綾目(アヤメ)か、杜若(カキツバタ)か」があり、カキツバタとアヤメは似ているので、違いを以下に記します。
●咲いている場所の違い
アヤメは乾燥した庭や畑、カキツバタ(I. lavigata)は水の有る岸辺の浅瀬に咲く。
●外花被片(萼)の中央にある模様
アヤメには綾目模様、カキツバタには白腺がある。
●葉
アヤメの葉は細長く硬い、杜若の葉は幅広で柔らかい。
■カキツバタ、アヤメ、ハナショウブの違い
では、さらに杜若、綾目と、花菖蒲の違いを見てゆきましょう。いずれもアヤメ科アヤメ属で紫系の花色が多いです。3者の違いについて以下に述べます。
★咲く場所の違い
乾燥した場所に咲くーアヤメ(文目、綾目、I. sanguinea)
水辺に咲くー ハナショウブ(花菖蒲、I. ensata var. ensata)とカキツバタ(杜若、燕子花、Iris laevigata)
水辺に咲く、左から、カキツバタ(杜若、燕子花)、ハナショウブ(花菖蒲)
★花びらの付け根の模様の違い
・カキツバタ(杜若、燕子花、I. laevigata)ー白筋
・アヤメ(文目、綾目、I. sanguinea)ー網目状
・ハナショウブ(花菖蒲、I. ensata var. ensata)-黄色い模様
左から、杜若(I. laevigata)ー白筋、文目(I. sanguineaーアヤメ模様)、花菖蒲(I. ensata var. ensata)ー黄色い目模様
★開花順
開花の順番は、早い方から、アヤメ(早いものは4月下旬から、5月上旬)→カキツバタ(5月)→ハナショウブ(6月)となります。
★カキツバタ、アヤメ、ハナショウブのイラスト
万葉集とカキツバタ
万葉集 第17巻 3921番歌
作者:大伴家持
題詞:十六年四月五日獨居平城故宅作歌六首
原文
加吉都播多 衣尓須里都氣 麻須良雄乃 服曽比猟須流 月者伎尓家里
訓読
加吉都播多(かきつばた) 衣尓(に)須里都氣(摺りつけ) 麻須良雄(ますらお、大夫)乃(の) 服曽比猟須流 月者伎尓家里
↓
かきつばた 衣に摺り付け ますらをの 服曽比(着襲ひ、競い、きそひ)猟須流(猟する) 月者(月は)伎尓家里(来にけり)
訳
かきつばたを 着物に摺り付け(紫色に染めて) 着飾った男衆が(鹿)猟(かり)をする 月(5月5日)がやってきました。
花言葉
花言葉は、「幸運、雄弁」です。
一般名:カキツバタ(杜若)、学名:Iris lavigata、又名:Kakitsubata、Japanese iris、Iris lavigata、分類名:植物界被子植物門単子葉植物綱キジカクシ目アヤメ科アヤメ属カキツバキ種、原産地:日本、朝鮮半島、東シベリア、生活型:耐寒性宿根草(水生多年草)、草丈:50~70 cm、葉形:剣状、開花期:5月~6月、花長:9~10 cm 花色:靑紫・白、用途:観賞用。
■関連ページ
カキツバタ(杜若、学名:Iris lavigata)
アヤメ(文目、I. sanguineaーアヤメ)
花菖蒲(I. ensata var. ensata)
特集 紫色の花