シハイスミレ
Viola violacea
らんまん
- 花名シハイスミレ
- 学名Viola violacea
- 別名Viola, 菫, すみれ
- 原産地日本、朝鮮半島南部
- 開花場所野原・畦道, 低山
- 開花期3月, 4月, 5月
シハイスミレとは
シハイスミレ(紫背菫、学名:Viola violacea)は、スミレ科スミレ属の多年草です。無茎性のスミレです。無茎性とは、地上茎が発達せず、葉や花柄が根元から出る品種です。中部地方以西〜九州の山野の日当たりのよい場所に自生します。
草丈は10cm以下です。葉には長い葉柄があります。葉形はハートを伸ばしたような卵状三角形で、基部は深い心形をしています。葉には光沢があり、表面は緑色で、裏面は紫色です。花色は紅紫色で距があります。唇弁基部は白く紫色の筋が入ります。
スミレを愛した王妃
悲劇の王妃 マリーアントワネットは、ヴェルサイユ宮殿の離宮「プチ・トリアノン」に、バラや矢車菊と共に、スミレ(特に本種とは限らずスミレ全般)を好み植えていました。
万葉集で詠われたスミレの歌
スミレはタチツボスミレやスミレという名前で万葉集で詠まれています。以下に掲載しました。
スミレの有茎性品種と無茎性品種
スミレには有茎性と無茎性品種があります。
スミレ無茎種
無茎性とは、地上茎が発達せず、葉や花柄が根元から出る品種で、
スミレ(学名:Viola mandshurica)、
アメリカスミレサイシン(亜米利加菫細辛、学名:Viola sororia)、
ナンザンスミレ(南山菫、学名:Viola chaerophylloides)、
アカネスミレ、アケボノスミレ、アナマスミレ、アリアケスミレ、エイザンスミレ、コスミレ、コミヤマスミレ、シハイスミレ、シロバナツクシコスミレ、スミレサイシン、ヒトツバエゾスミレ、ヒナスミレ、ヒメミヤマスミレ、ヒメスミレ、ヒカゲスミレ、フモトスミレ、ナガバノスミレサイシン、ノジスミレ、マルバスミレ、マキノスミレ、リュウキュウコスミレ
などがあります。
スミレ有茎種
有茎性とは、地上茎が伸びて、葉を互性して出す品種で
ツボスミレ(坪菫、学名:Viola verecunda)、
タチツボスミレ(立坪菫、学名:Viola grypoceras)、
ツクシスミレ(筑紫菫、学名:Viola diffusa)、
ニオイスミレ(匂菫、学名:Viola odorata)、
オオバキスミレ(大葉黄菫、学名:Viola brevistipulata)、
オオタチツボスミレ(大立坪菫、学名:Viola kusanoana)、
アオイスミレ(葵菫、学名:Viola hondoensis)、
エゾノアオイスミレ、エゾノタチツボスミレ、オオバタチツボスミレ、キスミレ、コタチツボスミレ、サンインタチツボスミレ、ダイセンキスミレ、ナガハシスミレ、ナガバタチツボスミレ、ニオイタチツボスミレ、ビオラ
などがあります。
万葉集 第8巻 1424番歌
原文
春野尓 須美礼採尓等 来師吾曽 野乎奈都可之美 一夜宿二来
作者:山部宿禰赤人(やまべのすくねあかひと)
題詞:山部宿祢赤人歌
よみ
春(はるの)野(の)尓(に) 須美礼(菫、スミレ)採(摘み)尓(に)等(と) 来師(し)吾(我)曽(ぞ) 野乎(を)奈都可之美(懐かしみ)
一夜宿(寝)二(に)来(ける)
↓
春の野に 菫(スミレ)摘みにと 来し我ぞ 野を懐(なつ)かしみ 一夜(ひとよ)寝にける
意味
春の野に 菫を摘みに来た私だが 野が懐かしくて 一夜野宿してしまった。
一般名:シハイスミレ(紫背菫)、学名:Viola violacea、原産地:日本、朝鮮半島、分類名:植物界被子植物真正双子葉類キントラノオ目スミレ科スミレ属オシハイスミレ種、草丈:5~10cm、開花期:3~5月、花色:紫、葉形:卵状三角形で光沢あり、葉表色:緑色、葉裏色:紫色。