万葉集と草木染5-ベージュ色🌱万葉集草木123.コナギ
コナギ(小菜葱、学名:Monochoria vaginalis var. plantaginea)は、東南アジア原産で、ミズアオイ科ミズアオイ属の一年性又は多年草です。弥生時代に日本に持ち込まれ、野菜や薬草、染料として使われました。万葉集でも「こなぎ」と呼ばれています。花言葉は「奥ゆかしい」です。
萬葉集と植物-こなぎ
ここで詠まれている萬葉集の歌は、衣類をコナギで染めています。コナギは青紫色の小花を咲かせますが、コナギで染められた色はベージュ色のようです。
萬葉集 第14巻 3576番歌
作者:不詳
登場する草木:こなぎ
原文
奈波之呂乃 古奈宜我波奈乎 伎奴尓須里 奈流留麻尓末仁 安是可加奈思家
読み
奈(な)波(は)之(し)呂(ろ)乃(の) 古(こ)奈(な)宜(ぎ)我(が)波(は)奈(な)乎(を) 伎(き)奴(ぬ)尓(に)須(す)里(り) 奈(な)流(る)留(る)麻(ま)尓(に) 末(ま)仁(に)安(あ)是(ぜ)可(か)加(か)奈(な)思(し)家(け)
↓
苗代(なわしろ)の 小水葱(こなぎ)が花を 衣(きぬ)に摺(す)り 慣(なる)る間(ま)にまに あぜか愛(かな)しけ
意味
苗代(なわしろ)に生える 小水葱(こなぎ)の花を 着物に摺り染めして 着慣れるにつれて どうしてこんなにも愛(いと)しくなったのだろう。
コナギ染めに疑似化して、女性に愛着が湧いた気持ちを詠っているのか。
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