万128.万葉の彦星は織姫に会えたの?👚射干玉【万葉集草木】
ヒオウギ(檜扇、学名:Iris domestica)は、東アジア原産で、アヤメ科アヤメ属の耐寒性多年草です。花名は、葉が根元から伸びて広がる形が、桧で出来た木製の扇に似ていることに因ります。夏に咲く橙色の六弁花には多数の暗紅点が散在します。花色と斑点から、英名では、’Leopard flower’と呼ばれます。花後に成る緑色の果実は秋に熟して割れて中から黒い種子が現れ「射干玉(ヌバタマ)」と呼ばれます。花言葉は「誠意」。
万葉集と草木-ヒオウギ
万葉集では、ヒオウギの黒い種子を「射干玉(ヌバタマ)」と呼び、黒や夜にかかる枕詞として使っています。
万葉集 第10巻 2076番歌
作者:不詳
題詞:七夕
登場する草木:ヒオウギの黒い果実「ヌバタマ」
原文
天漢 瀬乎早鴨 烏珠之 夜者開尓乍 不合牽牛
読み
天(の)漢(川) 瀬乎(を)早(み)鴨(かも) 烏珠(ぬばたま)之(の) 夜者(は)開(へ)尓(に)乍(つつ) 不合(遭はぬ)牽牛(彦星)
↓
天の川 瀬を早みかも ぬばたまの(枕詞) 夜は更けにつつ 逢はぬ彦星
意味
天の川 川瀬の流れが早くて渡れないのか (枕詞) 夜は更けてゆくのに 織姫に逢えない彦星であった。
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