万165.桃太郎といえば 黍でしょ

きび団子とは、昔はキビを引いて作った粉から作られた団子のことですが、今では求肥を丸めて串に刺し黄色っぽいキビ粉をかけた櫛団子(串に刺さないものもある)のことで、桃太郎伝説で知られる岡山県の名物菓子です。

材料となるキビ(黍、学名:Panicum miliaceum)は、中国など東アジアから中央アジアの温帯地域原産で、イネ科キビ属の一年生草本で五穀の一つとされます。日本へは中国大陸からイネやアワ、ヒエより遅れて渡来しましたが弥生時代には栽培されていたようです。生育期間が短く乾燥に強いので世界的に分布しています。

草丈は150~200 cmです。60cmの穂(円錐花序)は、緑色から薄茶、茶色に変化し、穂の1/3~1/2が茶色になったら収穫時期を迎え、長さ0.1~0.6cm、幅0.1~0.2cmの種子を多数付けています。種子は小さく食用とするとモチモチした、黄色い小粒のもち米のような存在です。アミロースを全くあるいはほとんど含まない品種です日本ではおはぎや餅に使われますが、海外では鳥餌やワインの材料とされます。


万葉集とキビ


万葉集でキビを詠った歌は1首だけなので、これまで他の草木で出てきた歌となります。この歌は、作者、題詞共に不明ですが、おそらく宴席で出されたお題に対して作られた戯れ歌の類と思われます。切羽詰まって作業をしている実には、1首で何種類もの草木に使い廻わせる歌はとてもありがたい存在です。

万葉集 第16巻 3834番歌
作者:作者不詳
題詞:作主未詳歌一首

原文
成棗 寸三二 粟嗣  延田葛乃 後毛将相跡 葵花咲

読み
成(梨)棗(なつめ) 寸三(黍、君)二(に)粟(あわ、逢わ)嗣(次ぎ) 延(這う)田葛(くず)乃(の) 後(のち)毛(も)将相(会わん)跡(と) 葵(あふひ、逢う日)花咲

梨(なし)、棗(なつめ) 黍(きび)に粟(あわ)次ぎ 這う田葛(くず)の 後も逢はむと 葵(あうひ、逢う日)花咲く

意味
1)植物名リレー
梨(なし)、棗(なつめ) 黍(きび)に粟(あわ)次ぎ 這う葛(くず)の のち(後)も逢わんと 葵(あうひ)花咲く

2)あなたに会いたい
離れてる(梨棗→離早、りそう) 君に逢えず 這う葛(くず)の のち(後)も逢おうと 葵花咲く

花言葉やもっとお知りになりたい方はこちらをご覧下さい。

■関連ページ
万165.桃太郎といえば 黍でしょ 万葉集 かぎけん花図鑑 花日記2023年12月12日(火)
キビ(黍、学名:Panicum miliaceum)
特集 万葉集でよまれた草木
万164.お主も悪よのう 隠蓑 万葉集 かぎけん花図鑑 花日記2023年12月10日(日)

#万葉の草木 #花図鑑 #花 #flowers #黍 #キビ #きび #かぎけん花図鑑 #かぎけん花日記

  • Sticky Millet
  • Sticky Millet
  • Sticky Millet
  • Sticky Millet
  • Sticky Millet
  • Sticky Millet
  • Sticky Millet
  • Sticky Millet
  • Sticky Millet
  • Sticky Millet
  • Sticky Millet
  • Sticky Millet

Other Articles