せめてお姿だけでも!?万葉集草木シリーズ39.アケビ

アケビ(木通、学名:Akebia quinata)は、アケビ科の蔓性落葉低木です。春に総状花序を伸ばし、先端に雄花、基部に雌花を咲かせます。雌花には大きい紫褐色の3枚の萼片と、中央に放射状の雌蕊が6~9本があります。雄花は薄黄で小さく中央に紅紫色の雄蕊が6本あります。秋に紫色で長楕円形の果実が成ります。万葉集では「さのかた」と言う名で詠まれています。


万葉集 第10巻1928番歌


作者:作者不詳、題詞:(問答)春相聞


原文


狭野方波 實尓雖不成 花耳 開而所見社 戀之名草尓


よみ


狭野方(さのかた=あけび)波(は) 實(実)尓(に)雖(たとえ...でも)不成(ならず)  花(はな)耳(のみに) 開(咲き)而(て)所見社(見えこそ) 戀(恋)之(の)名草(慰さ)尓(に)

さのかたは 実に成らずとも 花のみに 咲きて見えこそ 恋の慰(なぐさ)に


意味

さのかた(=あけび)は 実に成らなくても 花だけでも 咲いて見えてこそ 恋の慰めになるでしょう

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