元号「令和」の原点😮万葉集草木シリーズ2.梅 ポスト 梅(ウメ、学名:Prunus mume) は、現和暦【令和】の典拠となった植物です。梅には紅梅と白梅がありますが、万葉集でうたわれるのは全て「白梅」とされます。令和と「ウメ」はどうかかわっているのでしょう。 がぜん興味!令和の起源 万葉集「ウメ」の歌序文 万葉集にはウメを詠んだ歌がハギ(萩、学名:Lespdezap.)に次いで多く、119種あります。梅の歌が多いのは、当時中国から日本に渡ってきたばかりの梅が新規性で人気を博していたと言われます。梅には紅梅と白梅がありますが、万葉集でうたわれるのは全て「白梅」とされます。 和暦が「令和」となり20年以上経ちますが、この令和の起源は「ウメ」の序文にかかれた2語からとられています。その序文とは、どんなものかこれから見て行きましょう。 「令和」の典拠とは 令和の典拠は、『万葉集』で大伴旅人が詠んだ「梅花の歌」三十二首の序文にあります。 「梅花の歌」序文の原文 天平二年正月十三日 萃于帥老之宅 申宴會也 于時初春『令』月 氣淑風『和』 梅披鏡前之粉 蘭薫珮後之香 加以曙嶺移雲 松掛羅而傾盖 夕岫結霧鳥封 而迷林 庭舞新蝶 空歸故鴈 於是盖天坐地 促膝飛觴 忘言一室之裏 開衿煙霞之外 淡然自放 快然自足 若非翰苑何以 (手偏+慮)情 詩紀落梅之篇 古今夫何異矣 宜賦園梅聊成短詠 読み 天平二年正月十三日 帥(そち)の老の宅(いえ) 宴會(えんかい)を申(の)ぶ 時に 初春の『令』月にして 氣淑(よ)く風『和』ぐ 梅枝は鏡前の粉を披(ひら)き 蘭は珮後(ばいご)の香を薫(かお)らす 加えて 曙(あさけ)の嶺(みね)に雲移り 松は羅(うすもの)を掛けて盖(きぬがさ)を傾け 夕の岫(みね)に霧を結び鳥を封(と)じて 林に迷う 庭に新蝶舞い 空に故鴈(こがん)歸り ここに天を盖にし地に坐し 膝を促(ちかづ)け觴(さかづき)を飛ばす 言を一室の裏に忘れ 衿を煙霞(えんか)の外に開く 淡然に自ら放し 快然(かいぜん)に自ら足りぬ 若し翰苑(かんえん)に非ずは (何を以てか)情をのべむ 詩に落梅の篇を紀(しる)す 古今と夫れ何か異ならむ 宜しく園梅を賦して聊(いささか)に短詠を成すべし 三十二首の最初の歌 正月立ち春の来らばかくしこそ 大伴旅人(おおとものたびと)の邸宅で詠まれた梅の歌三十二首の最初の歌 作者:大弐紀卿(万葉集 巻5-815) 原歌 武都紀多知 波流能吉多良婆 可久斯許曽 烏梅乎乎岐都々 多努之岐乎倍米 読み 武都紀(むつき、睦月)多知(立ち) 波流(春)能(の)吉多良(来ら)婆(ば) 可久斯(かくし)許曽(こそ) 烏梅(梅)乎(を)乎岐(招き)都々(つつ) 多努之岐(楽しみ)乎倍米(をえめ) ↓ 睦月(むつき、正月)立ち 春(はる)の来らば、かくしこそ 梅(うめ)を招きつつ 楽しみ終(を)へめ 意味 正月になり 春が来たら このように 梅を見ながら 楽しみましょうよ。 ■関連ページ 元号「令和」の原点😮万葉集草木シリーズ2.梅 かぎけん花図鑑 花日記2022年12月15日 特集 万葉集でよまれた草木 Other Articlesミツマタと雀東京赤坂清水谷公園では、ミツマタの木に雀が入れ替わり立ち代わり止まっていました。樹下近くの茂みには20、30羽の雀が集合しピーチクパーチクと賑やかでした。ミツマタはまだほんの蕾。現在、公園で色付いているのは寒椿のみでした。まだまだ春は遠そうです。花や鳥について詳しくお知りになりたい方は、本花図鑑及びかぎけん鳥図鑑をご覧ください。記憶にございません😖🙁😲万葉集草木99.躑躅(満天星)ドウダンツツジ(満天星躑躅、灯台躑躅、学名:Enkianthus perulatus)万葉集と白つつじ 万葉集で詠まれているツツジは、赤花か白花で、歌中では、「石上つつじ」、「白つつじ」、「丹つつじ」と詠まれています。白花で万葉時代からあった白花品種は、「シロヤシオ(=ゴヨウツツジ、五葉躑躅、学名:Rhododendron quinquefolium)」か、この「"ドウダンツツジ(Enkianth6月16日の誕生花 ベロニカ6月16日の誕生花は、ベロニカです。 ベロニカ ベロニカ(Veronica、学名:Veronica spp.)は、欧州原産で、オオバコ科クワガタソウ属(ベロニカ属)の多年草です。青く長い花穂のスピカタ(Veronica spicata)や、ロンギフォリア(Veronica longifolia)、這い性のペドゥンクラリス(Veronica peduncularis)とその改良品種「ベロニカせめてお姿だけでも!?万葉集草木シリーズ39.アケビアケビ(木通、学名:Akebia quinata)は、アケビ科の蔓性落葉低木です。春に総状花序を伸ばし、先端に雄花、基部に雌花を咲かせます。雌花には大きい紫褐色の3枚の萼片と、中央に放射状の雌蕊が6~9本があります。雄花は薄黄で小さく中央に紅紫色の雄蕊が6本あります。秋に紫色で長楕円形の果実が成ります。万葉集では「さのかた」と言う名で詠まれています。 万葉集 第10巻1928番歌 作者:作者不詳姫踊子草のブログメオドリコソウ(姫踊子草)はヨーロッパからの帰化植物で野草化しています。 茎は四角い断面で茎の節に唇形の小さな赤紫色の花が輪生します。 花言葉は、「春の幸せ」 ■かぎけん花図鑑 ヒメオドリコソウ(姫踊子草、学名:Lamium purpureum) https://www.flower-db.com/ja/flower:1096 ガザニアガザニア(Gazania)は、別名で、勲章菊とも呼ばれます。それは、「勲章」のような花を咲かせるからですが、花言葉もそれに因みます。詳しくはこちらをご覧ください。