万158.橘か柑子か 万葉集
コウジ(柑子、学名:Citrus leiocarpa)は、日本原産でミカン科ミカン属の常緑小高木・柑橘類です。古代から栽培されています。ミカン(蜜柑、学名:Citrus unshiu)が出来てからは人気が蜜柑に移り、主に山陰地方~北陸地方で栽培されているだけになりました。果実は楕円形でミカンよりやや小さく鮮やかな橙色をしており、皮は薄く味は酸味がやや強い。コミカンとして正月飾りの葉付きミカンとしても利用されます。
橘か柑子か
古代史の「日本書紀」や「古事記」に記載された垂仁(すいにん)天皇が田道間守(たじまもり)を常世国(とこよのくに)に遣わし求めさせた非時香菓(ときじくのかくのみ)を「橘この橘も現在のタチバナではなく「コウジミカン(コミカン)」とする見方が古くからあります。出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
また、「柑子は橘の変種」ともいわれ、橘は古代ミカン類の総称ともされます。
そこで、万葉集では橘)を詠んだ歌が72首もあるので、下記の一首を「柑子」ないしは「橘と柑子」とみなしてのせました。
万葉集と橘(あるいは柑子)
万葉集第11巻2750番歌
第11巻 2750番歌
作者:不詳
題詞:(寄物陳思)
登場する草木:阿倍橘乃=柑子
原文
吾妹子 不相久 馬下乃 阿倍橘乃 蘿生左右
読
我(わぎ)妹子(もこ)に 逢はず久しも うましもの 安倍橘(あへたちばな、柑子)の 苔(こけ)生(む)すまでに
意味
妻に 会わなくなって久しい 上等な 柑子蜜柑の木に 苔が生えてしまうほどに。
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