紫苑と萱草の癒す力

シオン(紫苑、学名:Aster tataricus)とは、中国、朝鮮半島、モンゴル、ロシア原産で、キク科シオン属の多年草です。
英名では Tatarian aster 、和名ではジュウゴヤソウ(十五夜草)や、オモイグサ(思い草)とも呼ばれます。

日本では九州の阿蘇山に自生します。草丈は100m以上になり、上部で枝分かれします。
根生葉はヘラ状長楕円形をしており、茎葉は卵形~長楕円形で互生します。
8月~10月に、花茎から散房花序を伸ばし、頭花を多数付けます。
各頭花は3cm程で中央に黄色い管状花、周辺に薄紫色の花弁を一列に付けます。
10月~11月に根や根茎を掘り出して乾燥したものは生薬の「 紫菀(シオン)」で、鎮咳去痰効果があるとされます。


今昔物語の紫苑と萱草


シオンカンゾウ
左:シオン、右:カンゾウ(藪萓草 、学名:Hemerocallis fulva 'kwanso')
紫苑には思いを忘れない力が、萱草には悲しみを忘れさせる力がある、とされる。

平安時代に作られた「今昔物語」に、カンゾウとシオンが秘める不思議な力の説話があります。
兄弟が父の墓参りをした際に、兄はカンゾウ(萱草=忘れ草)を植え、弟はシオンを植えました。
萱草には悲しみを忘れさせる力があり、シオンには思いを忘れさせない力がある、とされます。だから、
嬉しいことがある人はシオンを植えて、憂いのある人は萱草を植えて、常に見るべきだと、締めくくられています。

花言葉や、詳細は本文をご参照ください。

■関連ページ
シオン(紫苑、学名:Aster tataricus)
紫苑と萱草の癒す力 かぎけん花図鑑 花日記2024年10月19日(土)
特集 10月の紫色の花
#シオン #紫苑 #萱草 #今昔物語

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