フジバカマ
万葉集でよまれた草木,ファッション,秋の七草
- 花名フジバカマ
- 学名Eupatorium japonicum
- 別名蘭草, 藤袴, ランソウ, Thoroughwort, fragrant eupatorium, アララギ, コウソウ
- 原産地日本、朝鮮半島、中国
- 開花場所川・池
- 開花期8月, 9月
- 花言葉あの日を思い出す
フジバカマとは
フジバカマ(藤袴、学名:Eupatorium japonicum)とは、日本、朝鮮半島、中国原産で、キク科ヒヨドリバナ属の多年草です。
関東、四国、九州の河原などの湿った場所を好みます。
草丈100〜150 cmです。茎は真っすぐ伸びます。
葉は3裂し、葉に腺点がありません。葉は枝に対生して付きます。
夏から秋、散房花序を伸ばし、薄紅色の花を咲かせます。直径0.5 cm程の小花を多数集合させて10 cm位の花冠になります。
フジバカマや、ヨツバヒヨドリ、ヒヨドリバナなどのヒヨドリバナ属の植物にはピロリジジンアルカロイドという毒性物質が含まれるので、蝶のアサギマダラ(浅葱斑、学名:Parantica sita)はヒヨドリバナ属の花の蜜を接種して体に毒を蓄え鳥などの捕食から逃れています。
私がアサギマダラ(浅葱斑)です。フジバカマの仲間(ヒヨドリバナ属)の
皆さん(これはヒヨドリバナ)にはいつもお世話になっています。
万葉集と藤袴
フジバカマが万葉集で詠まれた歌は、何度も出て来ますが、以下の1首しかありません。
第8巻1538番歌
作者:山上憶良
題詞 :山上臣憶良詠秋野花歌二首
登場する草木:瞿麦(なでしこ)=ナデシコ
原文
芽之花 乎花葛花 之花 姫部志 又藤袴 朝皃之花
読み
芽(はぎ)之花 乎花(おばな)葛(くず)花 瞿麦之(なでしこ)の花 姫部志(おみなえし) 又藤袴 朝皃(あさがお)之花
意味
萩の花 尾花葛花 なでしこの花 をみなへし また 藤袴 朝顔が花
■秋の七草
山上憶良が万葉集で秋の七草を詠んだ短歌は、花名を覚えるのに重宝します。因みに秋の七草は、以下の7種類です。
ハギ(萩、学名:Lespdezap.)、
尾花=ススキ(薄、学名:Miscanthus sinensis)、クズ(葛、学名:Pueraria montana var. lobata)、なでしこ=カワラナデシコ(河原撫子、学名:Dianthus superbus "longicalycinus")、オミナエシ(女郎花、学名:Patrinia scabiosifolia)、フジバカマ(藤袴、学名:Eupatorium japonicum)、昔の朝顔=今のキキョウ(桔梗、学名:Platycodon grandiflorus)です。
ヨドリバナ属
同属で似た花に、以下があります。
フジバカマ(藤袴、E. japonicum)ー葉柄はある、下部の葉は3深裂。葉は対生。
キクバフジバカマ(菊葉藤袴、E. laciatum)-
サワフジバカマ(沢藤袴、E. × arakianum)-藤袴(E. japonicum)と沢鵯(E. lindleyanum var. lindleyanum)の雑種
タマザキフジバカマ(玉咲藤袴、E. c.v.)-フジバカマ(藤袴、E. japonicum)の園芸品種
ハゴロモフジバカマ(羽衣藤袴、E. "Hagoromo")
ヒヨドリバナ(鵯花、E. makinoi)ー葉柄がある。葉は単葉で裂けない。葉序は対生。
ヨツバヒヨドリ(四葉鵯、E. chinense L. var. sachalinense)ー葉柄は無い。葉は単葉または3裂。葉序は輪生。
学名の由来
属名の「Eupatorium」、種小名の「 japonicum」は「日本の」という意味です。
一般名:フジバカマ(藤袴)、学名:Eupatorium japonicum、別名:蘭草(ランソウ)、アララギ、香草(コウソウ)、Thoroughwort、fragrant eupatorium、分類名:植物界被子植物真正双子葉類キク目キク科ヒヨドリバナ属、原産地:日本、朝鮮半島、中国、生息分布:関東、四国、九州、生活環境:河原などの湿った場所、草丈:100〜150 cm、葉序:対生、花序形:散房花序、花色:白~薄紅色・桃色、芳香:花に芳香あり、花径:0.5 cm、花冠径:10 cm、花冠形:房状、開花期:8月~9月、用途:盆栽、芳香剤(中国)、注記:論語の「蘭」はフジバカマのこと。