サトイモ

Colocasia esculenta 'ishikawa-wase'

万葉集でよまれた草木, 季節-夏,ロータス効果

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  • 花名
    サトイモ
  • 学名
    Colocasia esculenta 'ishikawa-wase'
  • 別名Eddoe, 里芋, Colocasia esculenta, Ishikawa wase, 石川早生, うも
  • 原産地マレーなど東南アジア
  • 開花場所田んぼ
  • 開花期8月
  • 花言葉花の花言葉:「繁栄」「無垢の喜び」

サトイモとは

サトイモ (里芋、学名:Colocasia esculenta 'Ishikawa-wase')とは、マレーなど東南アジア原産で、 サトイモ科 サトイモ 属の非耐寒性多年草です。
万葉時代から栽培されている根菜で、塊茎(かいけい)部が肥大した芋が食用とされます。
葉は根生葉でほぼ直立して4〜5枚の束生葉が生えます。各葉は、緑色、葉長30〜50 cmの細長い心臓形で、厚大、撥水性があり、葉縁は全縁・波状、葉脈は平行です。

夏に、薄黄の仏炎苞の中にカラー(Calla、学名:Zantedeschina Hybrids)に似た肉穂花序の花を付けます。雌雄同株で、肉穂花序の上部に黄色い雄花、その下部に緑色の雌花を密集して咲かせます。繁殖は花後に出来る種ではなく、小芋を植えて行います。


里芋とは


山芋(自然薯)に対して 里芋 と呼ばれ、店先で普通に売られているイモ類の一つです。ヤツガシラ(八頭)は、 サトイモ の一品種です。
同じサトイモ属にセレベス(学名:Colocasia esculenta 'Celebes')があります。

里芋 には、塊茎(地下茎)を食べる小イモ種、親イモ種、親子兼用種と、葉柄を食べる葉柄種(ズイキ)があります。
通常、私達が食べているのは、小イモ種です。


里芋 の品種


里芋 は栽培に大量の水を使用します。品種には、ドダレ(土垂)や、ウーハン(烏播)、ブンゴ(豊後)などがあり、芋質はねっとりと柔らかです。小イモ種の品種には他に、イシカワワセ(石川早生)があり、衣かつぎとして食します。芋質は小さく丸く白く、皮付きのまま茹でるか、蒸すかしたものを、指で皮を押すと破れて中身が出たものを塩を振って食べるなどします。夏が旬です。


里芋を使った料理


芋煮やお煮しめ、烏賊等とのあわせ煮、煮っころがし、汁の具などにして加熱して食べます。旬は秋ですが、一年中出回っています。煮ている最中にぬめりが出て、蓋をした状態と同じになり、煮こぼれることがあるので注意が必要です。また、皮を剥く時に、手が痒くなることがあります。


里芋 の仲間


タローハワイの先住民は、 里芋 の仲間のタロ(Taro)を主食としており、今でも水田にタロが栽培されています。


葉の撥水性


サトイモや、ハスフキササ(笹)などの葉表面の全面は、無数の微細な突起毛で覆われており、葉表面の水を水玉状にして、その中に汚れを閉じ込め落下させて排除する効果があります。

人間はこのロータス効果と呼ばれる撥水性能を模擬して、物質表面にナノ構造で凹凸を作り撥水性を再現しました。この撥水性を利用して、雨傘や雨靴、レインコート等の防水撥水性衣類や日用品、屋根や壁の塗装用品など高機能性の工業製品が作り出されました。万葉集ではハスとサトイモをたまたま?戯れ歌で歌った1首があります(後述)。


花の花言葉


「繁栄」「無垢の喜び」


万葉集と芋


宴席で即興で長意吉麻呂が詠んだ歌です。宴会ならではのお題を適当に振られただけとかでさほど内容に意味がないかもしれません。ただ、ハスとサトイモの葉には、共通して撥水性(水を弾く)というロータス効果(Lotus effect)があるのは興味深いことです。


万葉集 第16巻 3826番歌

作者:長忌寸意吉麻呂(ながのいみきおきまろ)
題詞:詠荷葉歌
登場する植物:さと芋(うも)とハス


原文


蓮葉者 如是許曽有物 意吉麻呂之 家在物者 宇毛乃葉尓有之



蓮葉(はちすば)者(は) 如(かく)是(こ)許(そ)曽有(ある)物(もの) 意吉麻呂之(が) 家在(なる)物者(は) 宇毛(うも)乃(の)葉(は)尓(に)有(あら)之(し)

蓮葉(はちすば)は 如(かく)こそあるもの 意吉麻呂(おきまろ)が 家なるものは 芋(うも)の葉にあらし



の葉は このようにあるものだから 私、意吉麻呂(おきまろ)の 家にあるものは きっと芋(サトイモ)の葉だろうな。


サトイモを詠った俳句


種芋や 花の盛りに 売り歩く  作者:芭蕉



一般名:サトイモ(里芋)、学名:Colocasia esculenta 'Ishikawa-wase'、別名:石川早生、Eddoe、分類名:植物界被子植物単子葉類オモダカ目サトイモ科サトイモ属、原産地:マレーなど東南アジア、草丈:200 cm、茎形:楕円形、葉:根生葉、葉形:細長いハート状、葉質:撥水性、葉色:緑、葉長:30〜50 cm、葉縁:全縁で波状、葉脈:平行、株:雌雄同株、花茎長:30 cm、仏炎苞長:20 cm、仏炎苞色:薄黄、雌花色:緑、雄花色:黄、肉穂花序長:15 cm、花径:2 cm、開花期:8月、食用の可否:可、食用部分:塊茎(かいけい)部分が芋、葉柄はズイキ(芋茎)、品種:石川早生、収穫期:10月、料理方法:煮物、炊き合わせ、おせち料理等。


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  • 花のタイプ
    放射相称花
  • 花序
    肉穂花序
  • 花冠
    卵形/楕円形
  • 葉形
    心臓形
  • 葉縁
    波状
  • 生活型非耐寒性多年草の根菜
  • 花の色緑 黄
  • 葉の色
  • 実の色
  • 高さ200.0 ~ 200.0 cm
  • 花径2.0 ~ 2.0 cm

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