オミナエシ
万葉集でよまれた草木
- 花名オミナエシ
- 学名Patrinia scabiosifolia
- 別名チメグサ, 女郎花
- 原産地日本、シベリア、中国
- 開花場所野原・畦道
- 開花期8月, 9月, 10月
- 花言葉深い愛、やさしさ
オミナエシとは
オミナエシ(女郎花、学名:Patrinia scabiosifolia)は、日本、東シベリア原産でスイカズラ科(←オミナエシ科、APG3から変更)オミナエシ属の多年草です。別名でチメグサや、ハイショウ(敗醤)とも呼ばれます。北海度〜九州の野原に自生します。草丈は60〜100 cmで、茎上部が:良く分枝します。下部は羽状複葉、上部は単葉の葉は縁に鋸歯があり対生します。
8月〜10月に、根出葉の間から出た花茎先端から、花冠径15~20 cmの散房花序を伸ばし筒状で先端が5裂する黄色い小花を多数つけます。小花の直径は約0.5 cmで雄蕊は4本、花柱は1つあります。
花後に直径0.3~0.4 cmの長楕円形をした果実が成り、果実の上端には毛状突起があります。用途は公園植えや切花、漢方薬の材料おtなります。
万葉集とオミナエシ
第10巻 2115番歌
作者:不詳
題詞:(詠花)
登場する草木:美人部師(万葉名)=女郎花(おみなえし)
原文
手取者 袖并丹覆 美人部師 此白露尓 散巻惜
読み
手に取れば 袖さへにほふ をみなへし この白露に 散らまく惜しも
訳
手に取れば 袖さえ照り映える 女郎花(おみなえし) この白露で 散っちゃうのが惜しいなあ。
*「にほふ」には「染まる」や「香る」などの意味がありますが、あえて「照り映える」としました。それは、万葉時代に「おみなえし」を染料に使ったという文献が残念ながら今は見るからないことや(調査不足かもしれませんが)、この時代は嗅覚の「匂う」より視覚を重視したと思うことと、この短歌がオミナエシの花の「黄色」と白露の「白」という文字を対比させたかったのかなということ、なによりも、鮮黄色の花が袖を明るく照らす情景が浮かんだということに拠ります。
万葉集とオミナエシ
秋の七草の1つです。山上憶良が万葉集で秋の七草を詠んだ短歌があり花名を覚えるのに重宝します。因みに秋の七草は、以下の7種類です。
第8巻1538番歌
作者:山上憶良
原文
芽之花 乎花葛花 瞿麦之花 姫部志 又藤袴 朝皃之花
読み
芽(はぎ)之花 乎花(おばな)葛(くず)花 瞿麦之(なでしこ)の花 姫部志(おみなえし) 又藤袴 朝皃(あさがお)之花
意味
萩の花 尾花葛花 なでしこの花 をみなへし また 藤袴 朝顔が花
ハギ(萩、学名:Lespdezap.)、
尾花=ススキ(薄、学名:Miscanthus sinensis)、クズ(葛、学名:Pueraria montana var. lobata)、なでしこ=カワラナデシコ(河原撫子、学名:Dianthus superbus "longicalycinus")、オミナエシ(女郎花、学名:Patrinia scabiosifolia)、フジバカマ(藤袴、学名:Eupatorium japonicum)、昔の朝顔=今のキキョウ(桔梗、学名:Platycodon grandiflorus)です。
一般名:オミナエシ(女郎花)、学名:Patrinia scabiosifolia、別名:チメグサ、ハイショウ(敗醤)、APG3分類名:植物界被子植物真正双子葉類マツムシソウ目スイカズラ科(←オミナエシ科)オミナエシ属、原産地:日本、東シベリア、生息分布:北海度〜九州、草丈:60〜100 cm、茎上部:良く分枝、葉形:羽状複葉(下部)、単葉(上部)、葉縁:鋸歯有り、葉序:対生、開花期:8月〜10月、花序形:散房花序、花冠径:15~20 cm、花冠形:筒状で先端は5裂、小花径:0.5~0.6 cm、花色:黄、雄蕊数:4、花柱:1、冠毛:毛状突起、果実径:0.3~0.4 cm、果実形:長楕円形、用途:公園、切花、漢方薬。