ヤエムグラ
万葉集でよまれた草木,,源氏物語の草木
- 花名ヤエムグラ
- 学名Humulus japonicus
- 別名Japanese hop, 鉄葎, 八重葎, ジャパニーズホップ, カナムグラ
- 原産地日本、台湾、中国
- 開花場所野原・畦道, 低山
- 開花期8月, 9月, 10月
- 花言葉「力強い人」
ヤエムグラとは
ヤエムグラ(八重葎、学名:Humulus japonicus)は、日本、台湾、中国原産で、アサカ科カラハナソウ属の群生するツル性一年草です。別名で、カナムグラ(鉄葎 )や単にムグラ(葎)、英名では Japanese hop(ジャパニーズホップ) と呼ばれます。北海道~九州の乾燥した荒れ地や河川敷に自生します。草高は60~100cmです。
長い葉柄の先にある葉は、緑色で長さ5~12cmで、葉形は5~7深裂した掌状で、葉縁に鋸歯があり、対生して枝に付きます。茎や葉には鋭い棘があり絡まるものがあれば絡みつきます。棘は触ると痛いです。雌雄異株です。8月~10月に、雄花は葉腋から30cm程の円錐花序を伸ばし、0.7cm程の小さな白緑色~黄緑色をした五弁花と5本の雄蕊を持つ花を多数付け、花粉が埃’ほこり)のように舞うので人によっては花粉症の原因となります。雌花は葉腋から花茎を出し先端から垂れ下がった穂状花序を伸ばしホップのような球形をした緑色(→後に紫褐色に変色)の花と白い糸状の雌蕊を付けます。
ヤエムグラによる花粉症の症状
ヤエムグラはヨモギ、ブタクサと共に秋の花粉症の原因物質となります。症状は、アレルギー性鼻炎-鼻炎、喘息、くしゃみ、鼻みず、鼻づまりーや、アレルギー性結膜炎-目のかゆみや涙目ーなどです。雄株の花粉の飛散時期は、8~10月で、飛散距離は数10mと狭い範囲ですが、道路脇などに生えていることが多いので要注意です。
名前の由来
ヤエムグラはカナムグラとも呼ばれます。幾重にも重なるので「八重」、茎が「金」のように丈夫で強いことから「鉄」、群生して茂る性質の「葎(ムグラ)」を合成して呼ばれるようになりました。
同属にはホップも
同属のホップ(勿布、hop、学名:Humulus lupulus)は、「セイヨウカラハナソウ(西洋唐花草)」と呼ばれ、雌花の花穂はビールの苦み成分に使われますが、このヤエムグラは腫れ物や解熱の漢方薬「葎草」に使われます。葉はタテハチョウ科のキタテハの幼虫の食草となります。
万葉集や源氏物語の葎
万葉集や源氏物語に出てくる「むぐら(牟具良(葎)」や「やえむぐら(八重葎)」は、アカネ科のヤエムグラではなく、本種「ヤエムグラ」とされます。「やえむぐら」とは一面に「むぐら」が生えている状態を言います。
万葉集と重葎
万葉集 第19巻 4270番歌
作者:橘諸兄
題詞:天平勝宝4年11月8日在於左大臣橘朝臣宅肆宴歌
原文
牟具良波布 伊也之伎屋戸母 大皇之 座牟等知者 玉之可麻思乎
読
むぐら(葎)は(延)ふ(う) いやしき(賎しき)やど(宿)も おおきみ(大君)の ま(座)さむと知らば 玉し(敷)かましを
意味
葎が蔓延う むさ苦しい家ですが 大君がご来宅されると知っていたならば 玉砂利を敷いたものでしたのに。
秋の花粉症の原因物質
ヤエムグラは、ブタクサや、ヨモギと共に、秋の花粉症の原因物質となります。
花言葉
「力強い人」
一般名:ヤエムグラ(八重葎)、学名:Humulus japonicus、又名:ムグラ(葎)、カナムグラ(鉄葎)、英名では Japanese hop(ジャパニーズホップ) 、原産地:日本、台湾、中国、生息分布:北海道~九州、環境:乾燥した荒れ地や河川敷、草高:60~100cm、葉柄:長い、葉質:粗毛がある、葉身長:5-12cm、葉形:掌状に5~7深裂、葉縁:鋸歯、葉序:対生、雌雄異株、開花期:8月~10月、雄花序:集散花序が集合した円錐花序、花序長:30cm、花被片:5枚、雄花花径:0.7cm、雄花色:白緑色~黄緑色/、雌花序:2出集散花序(岐散花序)が集合した球状花序、雌花:花弁無し、苞色:緑色(→後に紫褐色に変色)、雌蕊:白い糸状、果実型:痩花、果実形:小さなホップ状、果実径:0,5cm、種子径:0.4cm、繁殖:風媒花。