タマアジサイ
Hydrangea involucrata
万葉集でよまれた草木
- 花名タマアジサイ
- 学名Hydrangea involucrata
- 別名玉紫陽花
- 原産地日本と台湾
- 開花場所植物園
- 開花期7月, 8月, 9月
- 花言葉アジサイの花ことば 赤・ピンク:元気な女性、白:寛容、紫・青葉:辛抱強い愛、
タマアジサイとは
タマアジサイ(玉紫陽花、学名: Hydrangea involucrata)は、日本と台湾原産で、アジサイ科アジサイ属の落葉広葉低木です。アジサイの原種の一つです。
東北~中部地方の山地や谷川沿いの木陰に群生します。株元からよく分枝します。
樹高は最大2mほどです。木全体に毛が生えています。葉柄のある葉は緑色で両面に剛毛がありざらつき、尖頭の楕円形で長さ25cm(最大)、幅12cm(最大)、葉縁に細鋸歯があり、枝に対生して付きます。蕾を包んだ丸くて白い苞が目立ちます。7月~9月に、蕾が膨れると苞が落ちて、両性花と装飾花のある花を咲かせます。両性花は中央でピンク又は紫色の5弁花を咲かせ、装飾花は花の周囲に白い4弁花と雄蕊10本を咲かせます。花が終わる炉装飾花は裏返しになります。両性花は秋に実がなります。花名の由来は、つぼみが球状であることから。アジサイ属の葉には毒があるので食べてはいけません。
タマアジサイはアジサイの原種の一つ
アジサイ(紫陽花、学名:Hydrangea macrophylla)の原種には、タマアジサイ(玉紫陽花、学名: Hydrangea involucrata)の他、ガクアジサイ(額紫陽花、学名:Hydrangea macrophylla f. normalis)や、ヤマアジサイ(山紫陽花、学名:Hydrangea serrata)、エゾアジサイ(蝦夷紫陽花、学名:Hydrangea serrata var. megacarpa)があります。
万葉集とアジサイ
万葉集でアジサイを詠んだ歌は2種であり、ハギやウメと比べると遥かに少ないです。
現在の装飾花のみからできているアジサイはガクアジサイを後の時代に、日本で品種改良したものなので、万葉時代にありません。この時代に咲いていたアジサイは、ガクアジサイか、タマアジサイ、ヤマアジサイ、コアジサイです。アジサイを詠った歌が2首であり、1首はガクアジサイのページでご紹介しました。もう1首は、おそらく、ガクアジサイか、ヤマアジサイ、タマアジサイのいずれか、多分ガクアジサイかと思われますが、品種として珍しいタマアジサイとします。
タマアジサイは万葉時代からあったとされます。アジサイ属なので、花色が変わることが歌の題材に使われています。
万葉集 第4巻 773番歌
作者:大伴家持
題詞:大伴宿祢家持(おおとものすくねやかもち)従久邇京(くにのみやこより贈坂上大嬢(おおとものさかのうえのおおをとめに)歌五首
登場する草木:安治佐為(あぢさゐ、現在の(ガク、ヤマ、タマ-)アジサイ
原文
事不問 木尚味狭藍 諸弟等之 練乃村戸二 所詐来
読
事不問(問わぬ) 木尚(すら)味狭藍(アジサイ) 諸弟(モロト)等(ら)之(が) 練(ねり)乃(の)村戸(むらと)二(に) 所詐来(あざむかえけり)
↓
言問わぬ 木すらあじさゐ(アジサイ) 諸弟らが 練りのむらとに 欺むかえけり
意味
言葉を話さない木でさえアジサイのように色が変わるものがあります。ましてや言が立つ諸弟にはすっかり騙されてしまいました。
一般名:タマアジサイ(玉紫陽花)、学名: Hydrangea involucrata、分類名:植物界被子植物真正双子葉類ミズキ目アジサイ科アジサイ属、生原産地:日本、活型:落葉低木、樹高:1~2m、葉柄:有(1~9cm)、葉質:両面に剛毛がありざらつく、葉色:緑、葉長さ:10~25cm、葉幅:5~12cm、葉形:楕円形で尖頭、葉縁:細鋸歯、葉序:対生、開花期:7月~9月、花序形:集散花序、花色:両性花はピンク又は紫の5弁花、装飾花は4弁の白花、雄蕊数:10本、果実型:蒴果、果実形:球形で残った2本の花柱が角の様に生える、果実径:0.3cm、種子径;0.1cm以下。