セリ
万葉集でよまれた草木, 季節-春
- 花名セリ
- 学名Oenanthe javanica
- 別名シロネグサ, Japanese parsley, 芹, 白根草, Chinese celery
- 原産地日本
- 開花場所野原・畦道, 田んぼ
- 開花期7月, 8月
- 花言葉清廉潔白
セリとは
セリ(芹、学名:Oenanthe javanica )とは、日本原産でセリ科セリ属の湿地性多年草です。
日本原産とは言え、種小名に「javanica」とあり「ジャワ島の」が基準標本なので、史前帰化植物かもしれません。
日本全国の田んぼや畦道などに自生し、生える場所により、ミズゼリ(水芹)、タゼリ(田芹)、オカゼリ(丘芹)と呼ばれます。
草丈は30〜60cmで、地下茎で横に這います。茎には稜があります。
葉は薄緑色で葉質は柔らかく独特の匂いがあります。葉は2回羽状複葉で小葉は菱卵形をしています。
葉茎を葉野菜の食用に使いますが、古代中国では食用の他、婦人病の薬用とされました。
開花は夏ですが、春の若い茎葉を野菜とするので春の七草の一つとされます。7~8月に、花茎先端から傘状花序を伸ばし、極く小さな白い五弁花を咲かせます。
花名の由来
「セリ」という和名は、地下茎で生えるためセリは狭い場所に密集して生えその様子が「せり合う」と表現され「セリ」の名前がついたとされますが定かではありません。
有害なセリの仲間
セリは無毒ですが、猛毒のドクゼリ(毒芹、学名:Cicuta virosa)と似ているので要注意です。
■万葉集とセリ2
万葉集とセリ1では贈歌が詠われましたが、これはそれに対する返歌です。
セリ2 万葉集 第20巻 4456番歌
作者:薩妙觀命婦(さつのみょうかんみょうぶ)
題詞:天平元年班田之時使葛城王従山背國薩妙觀命婦報贈歌一首
(薩妙觀命婦が前歌に報えて贈ってきた歌:万葉集 第20巻 4455番歌への返歌)
セリ2 原文
麻須良乎等 於毛敝流母能乎 多知波吉弖 可尓波乃多為尓 世理曽都美家流
セリ2 読
麻須良乎(大夫)等(と) 於毛敝流(思へる)母能乎(ものを) 多知(太刀)波吉弖(佩きて) 可尓波乃(の)多為(田居)尓(に) 世理(芹)曽(ぞ)都美(摘み)家流(ける)
↓
大夫(ますらお)と 思へるものを 太刀佩きて 可尓波(かには)の田居に 芹ぞ摘みける
セリ2 意味
立派な方と 思われているのに 太刀を腰にさして 可尓波(かには)の田んぼで 芹子(せり)なんか摘んでらしたのね。
可尓波とは京都府木津川市内にあった地名。
一般名:セリ(芹)、
学名:Oenanthe javanica 、
分類名:植物界被子植物真正双子葉類セリ目セリ科セリ属 、
別名:シロネグサ(白根草)、Japanese parsley、Chinese celery、
生息分布:日本全国、環境:水田、畦道、田んぼ 、
生活型:湿地性多年草、
草丈:30~60cm、草姿:横に這う、茎形:稜がある、
葉色:薄緑、葉質:柔らかい、小葉形:菱形、葉形:2回羽状複葉、小葉形:卵形、葉縁:決刻有、
開花期:7~8月、花序形:傘状花序/複散形花序、小花形:極小の五弁花、小花色:白、雄蕊数:5、
用途:葉茎を野菜に 、特徴:独特の香り、食用。
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セリ(芹、学名:Oenanthe javanica )