ミクリ
万葉の草木
- 花名ミクリ
- 学名Sparganium erectum
- 別名実栗, mikuri, ヤガラ, 三稜草
- 原産地日本を含むアジア等の北半球とオーストラリア、
- 開花場所川・池, 田んぼ
- 開花期6月, 7月, 8月
- 花言葉「恋の痛み」
ミクリとは
ミクリ(実栗、学名:Sparganium erectum)とは、日本を含むアジア等の北半球とオーストラリア原産でガマ科ミクリ属の抽水性(水上に茎葉を出す)多年草です。北海道~九州の河川や、池沼、農業用水路などの水深の浅い場所に自生しますが、今では絶滅危惧種とされます。水底に根を張り這いながら分枝し新しい株を作って水上に茎葉の一部を出します。
草丈は70~200cmです。茎は直立し無毛です。茎の内部はスポンジ状です。葉は長い線形で葉幅は1cm程です。
雌雄同株、雌雄異花です。6月~8月に、葉腋から花茎を出して、その先端から頭状花序を伸ばし、上部に多数の雄蕊から成る黄色い雄花を咲かせ、下部に白い雌花を咲かせます。開花は雌花が先で数輪咲かせ、その後に雄花を多数輪咲かせます。雌花の下には葉のような長い苞が1枚ずつあります。雌花が咲き終わると果実径が2~3cmのイガイガ形をした緑色の果実が成り初秋に黄褐色に熟します。その後、地上部は枯れます。用途は、観賞用水草や、漢方薬(腹痛緩和)「荊山稜(けいさんりょう)」の原料となります。
和名の由来
和名の由来は、実をクリ(栗)のイガに見立てたことから。
万葉集の「多波美豆良(たはみずら)とは?
ヒルムシロ(蛭蓆、学名:Potamogeton distinctus)や、スベリヒユ、コナギ(小菜葱、学名:Monochoria vaginalis var. plantaginea)、ジュンサイ(蓴菜、学名:Brasenia schreberi)などがあげられます。以前に、ヒルムシロの紹介その歌をご紹介しましたが、ミクリのページを作成したのでここでもこの歌をご紹介します。ミクリと言う水生植物を現代に生きる私たちはどれほど知っているでしょう。
ワイじゃダメでっしゃろっか?ーたはみずらの第一候補「ヒルムシロ」
万葉集とミクリ(実栗)
万葉集 第14巻 3501番歌
作者:不詳
登場する草木:多波美豆良(たはみずら)=ここでは、ミクリ(実栗)
原文
安波乎呂能 乎呂田尓於波流 多波美豆良 比可婆奴流奴留 安乎許等奈多延
読
安波(あは)乎呂(をろ)能(の) 乎呂田(をろた)尓(に)於波流(おはる) 多波美豆良(たはみづら) 比可婆(ひかば)奴流奴留(ぬるぬる) 安乎(あを)許等奈(ことな)多延(たえ)
↓
安波峰ろの 峰ろ田(をろた)に生はる たはみづら 引かばぬるぬる 我(あ)を言(こと)な絶え
意味
安波(あは)の峰の 山田に生える たはみずら(ミクリ) 引けばするする寄って来る 私への手紙を絶やさないで欲しい。
花言葉
「恋の痛み」
一般名:ミクリ(実栗、三稜草)、学名:Sparganium erectum、又名:ヤガラ、漢名;黒三稜、英名:Bur reed、原産地:日本などのアジアなどの北半球とオーストラリア、分類名:植物界被子植物単子葉植物網ガマ目ガマ科ミクリ属ミクリ種、生息分布:北海道~九州、環境:河川や、池沼、農業用水路などの水深の浅い場所、生活型:多年草、草丈:70~200cm、葉形:長い線形、葉幅:1cm、茎:直立・無毛、内部スポンジ状、雌雄同株、雌雄異花、開花期:6月~8月、花序形:頭状花序(雌雄とも)、花色:白(雌花)、薄黄色(雄花)、果実径:2~3cm、果実色:緑色→黄褐色、用途:観賞用の水草、漢方薬(腹痛緩和)の「荊山稜(けいさんりょう)」注記:絶滅危惧種。