ザゼンソウ
Symplocarpus foetidus
驚異の発熱植物
- 花名ザゼンソウ
- 学名Symplocarpus foetidus
- 別名ダルマソウ, Skunk Cabbage, Eastern Skunk Cabbage, 座禅草, 達磨草, スカンクキャベツ
- 原産地北アメリカ、北東アジア
- 開花場所植物園, 低山
- 開花期1月, 2月, 3月
- 花言葉沈黙の愛
ザゼンソウとは
ザゼンソウ(座禅草、学名:Symplocarpus foetidus)は、北アメリカ、北東アジア原産で、サトイモ科ザゼンソウ属の多年草です。発熱植物として知られます。
初春に、地面からほんの少し出た短い花茎先端に、多数の薄黄色の小花を集めた塊(肉穂花序)とその周囲を一枚の頭巾のようなチョコレート色の花(実際は、仏炎苞)が取り囲みます。この段階では、まだ葉は出現しません。
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植物も発熱する
自家発電をする珍しい植物
サトイモ科の植物は、熱帯地域のものが多いですが、本種は寒冷地のものです。 雪解け時期に颯爽と先陣を切って表われる、というよりは、自身が発熱して雪を溶かして出てくる自家発電型の珍しい植物です。
植物では珍しく発熱遺伝子を持っていますが、その仕組みは開花の際に、根茎に予め貯蔵しておいたデンプンが、肉穂花序の細胞の中にあるエネルギー発生器官のミトコンドリアにより酸素と結合することによって外気温にかかわらず20~30度の温度を発生し雌花の開花期の2週間程の間、持続させるとのことです。
開花後に脇から出る葉は、最初巻かれていたものが団扇形(腎臓形)に開きながら伸張するので、 その様子をキャベツに見立てられました。この頃、仏炎苞は枯れ落ちて、種が成熟します。
雌性先熟の、雌雄が同居する両性花で、受粉に必要な蝿を呼び寄せるため全草から異臭と熱を放つので、 英名ではスカンクキャベツと呼ばれます。種小名の「foetidus」とは、「悪臭のある」という意味です。
和名の由来は、肉穂花序の形が座禅をしている達磨大師に例えたことに因り、別名でダルマソウ(達磨草)とも呼ばれます。
草姿はミズバショウ(水芭蕉、学名:Lysichiton camtschatcense)を赤茶色にしたような感じの野草です。 咲き始めの頃のザゼンソウは、同時期に咲くフクジュソウ(福寿草、学名:Adonis ramosa)と同じ位で背丈が低いです。
筑波大学菅平高原実験センターにより、ハス(蓮、学名:Nelumbo nucifera)の花托や、ヒトデカズラの肉穂花序も、ザゼンソウと同様、発熱することが報告されています。
ザゼンソウ: かぎけん花図鑑 classic
一般名:ザゼンソウ(座禅草)、学名:Symplocarpus foetidus、別名:ダルマソウ(達磨草、肉穂花序花のことを)、 スカンクキャベツ(Skunk Cabbage、全草に異臭がしてキャベツのように巻かれた葉が開くことから)、Eastern Skunk Cabbage、APG植物分類体系:植物界被子植物単子葉類オモダカ目サトイモ科ザゼンソウ属、生息分布:北海道〜本州の寒冷地帯(東北〜北陸・北関東)の日本、中国等の東アジア、北米の東海岸、環境:山地の林床、寒冷な湿地、生活型:多年草、草丈:15〜30cm、花後に葉が出る、葉身長:40cm、葉柄:長い、葉色:緑、葉:単子葉、根生する心形の葉、葉縁:全縁、小花:雌性先熟の両性花、開花期:1月〜3月、仏炎苞色:赤茶色、仏法円苞径:10~20cm、花序形:肉穂花序、肉穂花序径:3cm、肉穂花序:薄黄褐色の肉穂花序に100個の両性花(小花)がつく、花弁:無し、積雪時に仏炎苞が出きて肉穂花序が発熱し周囲の雪を溶かし花序の悪臭で蠅を誘きよせる。果実型:液果、受粉媒介:昆虫、外敵:野鼠、特徴:発熱植物。