南房総の花7 ヤグルマギク(矢車菊、Centaurea cyanus)

南房総の花畑で咲いていた花7「矢車菊」です。

学名の「セントレア(Centaurea)」とも言いますが、中部国際空港の愛称「セントレア」とは語源が異なります。空港の愛称は、英語の「中部地方」を意味する「central(セントラル)」+「空港」を意味する「airport(エアポート)」の合成語で「セントレア(centr- air)」と付けられました。では、ヤグルマギクの「セントレア(Centaurea)」の語源は?

ヤグルマギク(矢車菊、学名:Centaurea cyanus)とは、欧州東南部原産で、キク科ケンタウレア属の耐寒性一年草です。日当たりの良い場所で、草丈30〜100 cmに成長します。葉は長楕円形~線形、又は羽状深裂で、葉縁は全縁又は鋸歯がある場合があり互生して付きます。4月〜6月に、花茎から頭状花序を伸ばし矢車型の管状花だけから成る直径4〜5 cmの花を咲かせます。花色には青紫や、白、ピンクがあります。青色花はドイツや、フランス、エストニア、マルタ共和国の国花とされます。


花名の由来


属名の「Centaurea」はギリシャ神話に出て来る半人半馬の生き物「ケンタウロス(Centaurs)」に因みます。種小名の「cyanos」 はギリシャ語で「濃青色」を意味します。


矢車と付く植物


矢車菊(Centaurea cyanus)と矢車草(Rodgersia podophylla)の違い

ヤグルマギクはヤグルマソウとも呼ばれることがありますが、ヤグルマソウと名付けられた植物が存在します。ヤグルマソウ(矢車草、学名:Rodgersia podophylla)は別科別属(ユキノシタ科ヤグルマソウ属)の植物で葉が大きく花も矢車菊とは似ていません。以下に両者の違いを説明します。

ヤグルマギクとヤグルマソウの違い
図説 ヤグルマギクとヤグルマソウの違い

ヤグルマギクとヤグルマソウの違い
ヤグルマギクは「花」が、ヤグルマソウは「葉」が矢車の形をしています。


食用花・エディブルフラワー


花は食用花・エディブルフラワーとして使うことができます。紫色など珍しい色彩で、味に癖がないので、オードブルなどに合わせられれます。
他に食用となる花は、食用花・エディブルフラワー をご参照ください。


花言葉


矢車菊の花言葉には「繊細」「優美」「教育」「信頼」があります。繊細、優美は、茎の細さや花の形、教育は母(御后)が子供(王子達)に麦畑で人生訓を聞かせたことに由来するようです。「信頼」は由矢車菊の原種が濃い青紫色であり、また、古来、宝石の最上級品を「コーンフラワーブルー(矢車菊の青)」と表現していること等から、花色が「信頼」をイメージさせたのかと思われます。

■関連ページ【花日記】
南房総の花7 ヤグルマギク(矢車菊、学名:Centaurea cyanus)かぎけん花図鑑 花日記2024年3月30日(土)

ヤグルマギク(矢車菊、学名:Centaurea cyanus)
ヤグルマソウ(矢車草、学名:Rodgersia podophylla)

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