源004.源氏物語の草木第4話 八重葎

源氏物語の草木

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あらすじ
中国の唐時代に玄宗皇帝が楊貴妃を寵愛し過ぎたあまり政治が疎かになり国が乱れ安禄山の乱が起こりました。玄宗皇帝と敗走中に楊貴妃は護衛兵の反感を買い亡き者にされました。そのため、楊貴妃は「傾国の美女」と称されました。

一方、源氏物語では、帝に溺愛された桐壺更衣は、正に楊貴妃と同じ状況にありましたが、手荒な目にはあわずに済みました。

(1.2 御子誕生、1.3 若宮の御袴着)
多くの女御たちの意地悪にもめげず、玉のような男子を生んでいます。この間は、残念ながら、草木の登場がないので、花図鑑も静かです。

(1.4 母御息所の死去、1.5 故御息所の葬送、1.6 父帝悲しみの日々)
しかし、桐壺本人の内省的な性格のため病気になり自滅してしまいます。この間も草木の登場がありません。

(1.7 靫負命婦の弔問)
帝は人(命婦)を使わされて、残された桐壺更衣の母の住む邸を訪ねます。


第4話 靫負命婦の弔問


(源氏物語 1.7 靫負命婦の弔問)
お使い靫負命婦(ゆげのみょうぶ)は、庭の荒れ果てた様子を見て深く同情した。


八重葎


「闇に暮れて臥し沈みたまへるほどに、草も高くなり、野分にいとど荒れたる心地して、月影ばかりぞ八重葎(やえむぐら)にも障はらず差し入りたる。」(源氏物語)



「娘を亡くして心の闇に沈んでいるうちに、雑草も伸びて、野分(風)で庭も荒れているが、月影だけは八重葎にも遮られずに差し込んでいた。」(意味)


八重葎(やえむぐら)とは

源氏物語では、野草でも、八重葎(やえむぐら)や、蓬生と書かれますが、翻訳、例えば与謝野晶子さんのものでも、「庭の雑草」と表現されています。野草は全て同一視されてしまうのですね。花図鑑では、ヤエムグラはヤエムグラとして認識しています。花図鑑ですから。


ヤエムグラ(八重葎=カナムグラ(鉄葎)、Humulus japonicus)は、日本、台湾、中国原産で、アサカ科カラハナソウ属の群生するツル性一年草です。同属にはホップ(hop、学名:Humulus lupulus)があり、雌花の花穂がビールの苦み成分に使われます。
このヤエムグラは腫れ物や解熱の漢方薬「葎草」に使われ、葉はタテハチョウ科のキタテハの幼虫の食草となります。


ホップホップ
わたしがホップです。花は咲いていません。

ヤエムグラ(=カナムグラ)については、こちらに詳しいです。

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