万154. 食用になるんだね 冬葵
フユアオイ(冬葵、学名:Malva verticillata)とは、パキスタン~中国原産で、アオイ科ゼニアオイ属の大型の一~二年草の野草です。日本へは古代に渡来し薬用や野菜として栽培されましたが、現在、日本ではほとんど栽培されておらず一部野生化しています。中国や韓国では、葉と茎をお粥やスープなどの料理に、種子は冬葵子(とうきし)という生薬の原料に使われます。
草丈は60~170 cmです。葉は掌状に5~7浅裂し互生して付きます。4月~6月に、葉腋に固まって花径1~2 cmの小さな五弁花が固まって付ききます。花色は、白、または、ピンク、赤で、3枚の細い萼片があります。花後に成る種子がなります。
万葉集では、あふひ(葵)という名前で詠まれています。
万葉集とあふひ(葵)
フユアオイ=あふひ(葵)の歌には、花が全部で6種類出ていますので、他の花のページでも出てきます。
万葉集 第16巻 3834番歌
作者:作者不詳、題詞:作主未詳歌一首
おそらく、宴席で出されたお題に対して、作られた戯れの歌のようです。
原文
成棗 寸三二粟嗣 延田葛乃 後毛将相跡 葵花咲
読み
成(梨)棗(なつめ) 寸三(黍、君)二(に)粟(あわ、逢わ)嗣(次ぎ)
延(這う)田葛(くず)乃(の) 後(のち)毛(も)将相(会わん)跡(と) 葵(あふひ、逢う日)花咲
↓
梨(なし)、棗(なつめ)、黍(きび)に 粟(あわ)つぎ 這う田葛(くず)の 後も逢はむと 葵(あうひ、逢う日)花咲く
意味
梨(なし)、棗(なつめ)、黍(きび)に粟(あわ)つぎ、這う葛(くず)の、のち(後)も逢わんと、葵(あうひ)花咲く
詠われた植物
・梨(ナシ、学名:Pyrus pyrifolia)、
・棗(なつめ、ナツメ、学名:Ziziphus jujuba)、
・黍(きび)、
・粟(あわ、アワ、学名:Setaria italica)、
・葛(くず、クズ、学名:Pueraria montana var. lobata))、
・冬葵(フユアオイ、学名:Malva verticillata)、学名:Malva verticillata)、
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