自然には勝てぬ⁉万葉集草木シリーズ35.フキ

フキ(蕗、学名:Petasites japonicus)は、日本、朝鮮半島、中国原産でキク科フキ属の多年草の山菜です。初春に、地下茎から花茎を出して花(フキノトウ、ふきのとう、蕗の董)を咲かせます。万葉名は春菜で詠まれています。


万葉集 第8巻 1427番歌


作者:山部赤人 題詞:山部宿祢赤人歌四首

原文
従明日者 春菜将採跡 標之野尓 昨日毛今日母 雪波布利管


従(より)明日者(は) 春菜将採(摘まむ)跡(と) 標(しめ)之(し)野(の)尓(に) 昨日毛(も)今日母(も) 雪波(は)布利(降り)管(つつ)

明日よりは 春菜摘まむと 標し野に 昨日(きのふ)も今日(けふ)も 雪は降りつつ

意味
明日から 春菜(はるな=蕗の薹)を摘もうと思ってるのに 標(しめ)し野(*)に 昨日も今日も 雪が降り続いている。

*標し野(しめしの)とは、禁野(きんや)のこと。皇室御用達で、一般人立入禁止の野。

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