夢にまで見てしまった★万葉集草木65.カシワ
コナラ属の耐寒性・落葉性広葉高木です。葉は端午の節句に食べる柏餅の皮に使われます。樹皮からタンニンが採取され、葉や樹皮、果実を煮出すと染色原料となります。万葉の時代にも「かしわ」と呼ばれていました。万葉集でも詠われています。
万葉集 第11巻 2754番歌
作者:不詳、題詞:寄物陳思
登場する植物:柏→柏(かしわ)
原文
朝柏 閏八河邊之 小竹之眼笶 思而宿者 夢所見来
読
朝(あさ)柏(かしわ) 閏八河邊之 小竹之眼笶 思而宿者 夢所(に)見(え)来(けり)
↓
朝(あさ)柏(かしわ) 潤八河(うるや川)邊(辺、へ)之(の) 小竹(しの)之(の)眼(芽)笶(の) 偲ひ而(て)宿(寝れ)者(ば) 夢に見えけり
意味
朝、柏の木が 潤んでいる潤八川(うるや川)の川辺に生える 篠(小竹、しの)の芽のように (あの方を)偲びながら寝たら 夢に見てしまった。