目印の桜🌸万葉集草木107.山桜(霞桜)
カスミザクラ(霞桜、Cerasus laveilleana)は、バラ科サクラ属の落葉広葉高木です。日本では北海道、本州、四国の冷寒帯の山間部に分布します。花はヤマザクラと似ていますが、それよりやや小さく、遠目では霞のように見えることが花名の由来です。開花期は4月下旬(東京)~5月(標高の高い場所)と他のサクラと比べて遅い。花と葉は同時に展開します。葉は緑色で、ヤマザクラのように最初から赤くはなりません。花序を出して花を2~3個付けます。
万葉集と山桜(霞桜)
万葉集では、桜や山桜の歌を50種程詠っています。ここでは、桜として、日本に古くからある桜の原種の一つである「霞桜」を当てました。
万葉集 第19巻 4151番歌
作者:大伴家持(おおとものやかもち)
題詞:三日守大伴宿祢家持之舘宴歌
天平勝宝2年(西暦 750年)3月3日に大伴家持の館で催された宴席の歌
登場する草木:櫻(桜)(ここでは、桜原種の一つの霞桜とします)
原文
今日之為等 思標之 足引乃 峯上之櫻 如此開尓家里
読み
今日之(の)為(ため)等(と) 思(ひて)標(め)之(し) 足引乃(の) 峯(をの)上(へ)之(の)櫻(桜) 如(か)此(く)開(咲き)尓(に)家(け)里(り)
↓
今日の為と 思ひて標(しめ)し あしひきの 峰(を)の上(へ)の桜 かく咲きにけり
意味
今日の(宴席の)ためと 思って標(しる)しを付けておいた 峰の桜が このように咲きました。
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特集 万葉集でよまれた草木