ハコネシダ

Adiantum monochlamys

万葉の草木,らんまん植物

  • ハコネシダ
  • ハコネシダ
  • 花名
    ハコネシダ
  • 学名
    Adiantum monochlamys
  • 別名箱根羊歯, Adiantum
  • 原産地日本、朝鮮半島、中国、台湾
  • 開花場所低山, 盆栽, 鉢花, 観葉植物
  • 開花期
  • 花言葉「繊細」

ハコネシダとは

ハコネシダ(箱根羊歯、学名:Adiantum monochlamys)は、日本、朝鮮半島、中国、台湾原産で、ホウライシダ科ホウライシダ属の常緑多年草のシダ植物です。本州、四国、九州の山野の岩や崖に自生します。湿った岩場で短い根茎を横に這わせて3回羽状複葉を下方に垂らしながら拡張します。茎は細くて黒く硬い。葉は3回羽状複葉で、10~20cmの葉柄の先に、長さ20~40cmの艶無しで緑色をしたハート形の小葉を付けます。葉縁には鋸歯があります。葉の付き方は不規則で、ソーラスは小葉1枚に対して、1個の丸い胞子脳が付きます。
葉柄と葉軸を束ねて小箒が作られます。ホウライシダと似ていますが、より栽培が難しいです。


名前の由来


箱根羊歯と言う和名は、シダ類で箱根で採取されたことによります。江戸時代に、ドイツ出身の医師・植物学者のエンゲルベルト・ケンペル(Engelbert Kämpfer、1651年9月16日-1716年11月2日)博士が、1691年に箱根山で人々がこの草を産前産後の薬草として採取しているのを知り自身も採集し報告したことに拠ります。


万葉集とハコネシダ


和草(にこぐさ)とは何か昔からはっきりとは分かっておらず、柔らかい草一般のこととか、箱根羊歯とか、甘野老(あまどころ)とか解釈されてきてます。一つの草の名前ではないのかもしれません。貝原益軒は、万葉集の和草を、ハコネグサ(箱根箱根羊歯)としています。そこで、ここでは下の句に対し「箱根羊歯」に当てはめてみました。


万葉集とにこ草


万葉集第14巻 3370番歌
作者:不詳
題詞:(東歌)
登場する草木:にこぐさ=ハコネシダ(他の候補に甘野老(あまどころ)や、柔らかい草一般がある)

原文
安思我里乃 波故祢能祢呂乃 尓古具佐能 波奈都豆麻奈礼也 比母登可受祢牟

読み
足柄(あしがり)の 箱根の嶺ろの にこ草の 花つ妻なれや 紐解かず寝む

意味
足柄の 箱根の峰の にこ草のような 「花妻」だから 妻の着物の紐を解かず寝ます。
注記:「花妻(はなづま)」とは、未成年者の許嫁のことか。しかし、にこ草をシダとすると、シダは花を咲かせない。どうしたものか。


ホウライシダの仲間


同属には、以下があります。

クジャクシダ(孔雀羊歯、学名: Adiantum pedatum)
 小葉が扇のように広がり孔雀の羽根に似ていることから命名 

ハコネシダ(箱根羊歯、Adiantum monochlamys)
 葉の付き方が不規則、ソーラスが小葉1枚に1個丸い胞子脳が付く、葉縁は鋸歯状。

ホウライシダ(蓬莱羊歯、学名:Adiantum capillus-veneris)
 葉は2回羽状複葉で、小羽は小さく葉厚は薄くイチョウの葉に似た扇形をしており切れ込みがあります。小葉の縁に付くソーラスは三日月形で複数個付きます。

フモトシダ(麓羊歯、学名:Microlepia marginata)

一般名:ハコネシダ(箱根羊歯)、学名:Adiantum monochlamys Eaton、別名:ハコネソウ(箱根草)、いちょうしのぶ(銀杏シノブ)、分類名:植物界シダ植物シダ網シダ目ホウライシダ科ホウライシダ属ハコネシダ種、原産地:日本、朝鮮半島、中国、台湾、生息分布:本州、四国、九州、生活環境:山野の岩や崖、株高:cm、葉柄長:10~20cm、葉柄質:黒褐色で硬い、葉色:艶の無い緑色、葉長さ:20~40cm、葉形:3回羽状複葉、小葉形:倒三角形 ハート形、用途:観葉植物、シェードガーデン、産前産後の薬草、小箒。


  • シダ
  • ホウライシダ
  • ホウライシダ
  • ハコネシダ
  • 花のタイプ
    その他
  • 花序
    その他
  • 花冠
    花びら無し
  • 葉形
    3回羽状複葉
  • 葉縁
    鋸歯状
  • 生活型常緑多年草のシダ植物
  • 花の色
  • 葉の色
  • 実の色
  • 高さ15.0 ~ 50.0 cm
  • 花径 ~ cm

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