コウゾ
- 花名コウゾ
- 学名Broussonetia× kazinoki
- 別名カゾ, 栲, Paper mulberry, 穀紙
- 原産地中国
- 開花場所海外, 低山
- 開花期4月, 5月, 6月
- 花言葉過去の思い出
コウゾとは
コウゾ(栲、学名:Broussonetia × kazinoki )は、中国原産で、クワ科コウゾ属の落葉広葉低木です。和紙の原料とされます。
同じコウゾ属のカジノキ(学名: Broussonetia papyrifera)とヒメコウゾ(学名: Broussonetia kazinoki)の交雑種とされます。本州から沖縄の山地で野生化しています。
樹皮は褐色です。葉は卵形で、葉縁に鋸歯があり、枝に互生します。葉色は緑色ですが、秋に黄葉します。雌雄異株で、葉と花が同時に出ます。
雌花は球形の赤紫色で、雄花は黄色い。4~6月頃に開花します。花後の6月に、赤い3cm程の球形の核果を集合してつけます。
コウゾはカジノキ(梶の木、学名:Broussonetia papyrifera)と似ていますが、葉や実はそれより小さいです。
コウゾは万葉集では「たく」「たへ」「ゆう」という名で詠まれています。
和紙の繊維素材
古文書など和紙に使われる「料紙」の繊維素材には、以下があります。
・コウゾ(栲、学名:Broussonetia × kazinoki )、
・ミツマタ(三椏、学名:Edgeworthia chrysantha )、
・ガンピ(Diplomorpha sikokiana)
万葉集 とコウゾ1
万葉集 第3巻 285番歌
作者:丹比真人笠麻呂(たじひの まひと かさまろ)、題詞:丹比真人笠麻呂徃紀伊國超勢能山時作歌、登場する草木:栲:たく=楮:こうぞ
原文
栲領巾乃 懸巻欲寸 妹名乎 此勢能山尓 懸者奈何将有 [一云 可倍波伊香尓安良牟]
読
栲領巾乃(の) 懸(け)巻(く)欲(し)寸(き) 妹(が)名乎(を) 此(この)勢(背)能(の)山尓(に) 懸(け)者(ば)奈何(いかに)将有(あらむ) [一云 可倍(替へ)波(ば)伊香(いか)尓(に)安良牟(あらむ)]
↓
栲領巾(たくひれ)の 懸(か)けまく欲しき 妹(いも)が名を この背の山に 懸(か)けばいかにあらむ [替へばいかにあらむ]
意味
栲領巾(たくひれ=白いスカーフ)を 懸けるように 妹(=妻)の名を この背の山に 懸けたらどうだろう。「背」と「妹」を替えたらどうだろう。
備考
・領巾(ひれ)とは女性が首から肩にかけていた白いスカーフのようなもの。栲(たく=こうぞ)の皮から採った白い繊維及びそれで織られた布のこと。
・背の山とは、和歌山県かつらぎ町にある山です。
万葉集 とコウゾ2
花日記コウゾ1ではコウゾを「たく」と詠んだ歌でしたが、この 花日記コウゾ2 では、「たへ」と詠んでいます。
この歌は、百人一首にも出て来る持統天皇の歌ですが、百人一首と万葉集では歌の調子が少し異なっています。
万葉集 第1巻 28番歌
作者:持統天皇
題詞:藤原宮御宇天皇代 高天原廣野姫天皇 元年丁亥十一年譲位軽太子
登場する草木:たへ=楮:こうぞ
原文
春過而 夏来良之 白妙能 衣乾有 天之香来山
読み
春過(ぎ)而(て) 夏来(たる)良(ら)之(し) 白妙(しろたへ)能(の) 衣(ころも)乾(し)有(たり) 天(あめ)之(の)香来山
↓
春過ぎて 夏来たるらし 白栲(しろたへ)の 衣干したり 天(あめ)の香具山
意味
春過ぎて 夏が来たらしい 白妙(しろたえ)の 衣が干してある 天の香具山に
一般名:コウゾ(栲、学名:Broussonetia × kazinoki、分類名:植物界被子植物門双子葉植物バラ目クワ科コウゾ属、別名:Paper mulberry、穀紙(こくし)、梶紙(かじかみ)、原産地:中国、生活型:落葉広葉低木、樹高:2〜5m、樹皮:褐色、葉色:緑→黄色(黄葉)、葉身:10~20cm、葉幅:cm、葉形:卵形、葉縁:鋸歯、葉序:互生、雌雄異株、開花期:4~5月、雌花色:赤紫色、雌花序径:1cm、雌花序:球形、雄花序:、雄花色:黄色、果実型:核果、集合果径:.8~1cm、果実形:球形、果実色:赤色、結実期:6月、用途:樹皮から繊維を採って和紙に。