アサ
万葉集でよまれた草木, 季節-夏
- 花名アサ
- 学名Cannabis sativa
- 別名タイマソウ, Hemp
- 原産地中央アジア
- 開花場所野原・畦道, 低山, 墓地・寺院
- 開花期4月, 5月
アサとは
アサ(麻、学名:Cannabis sativa)は中央アジア原産で、アサ科アサ属の一年生草本です。アサのみで1属1種を形成します。別名で、タイマソウ(大麻草)、Hemp、学名でカンナビス・サティーバ(Cannabis sativa)と呼ばれます。属名「Cannabis」はギリシャ語の「kanna(管、くだ)」、種小名「sativa」は同じく「Sativa(栽培されるもの)」と言う意味です。
植物としての特徴
草丈1~3mで、茎は中空で管状をしており、直立します。葉は披針形の小葉3~13枚からなる掌状複葉で、葉縁に鋸歯があり、茎に互生して付きます。雌雄異株で雌雄異花です。5月~6月に茎先から円錐花序を伸ばし、花被片5枚の黄緑色の雄花と緑色の雌花色を咲かせます。6〜7月に卵形で棘の有る卵形の果実が成ります。果実の中には濃緑色の種子があります。
アサの用途
有用な植物で栽培目的は、繊維を採る、種子を食べる、(種子から)油を採取する、麻酔薬、薬などがありますが、日本の場合は、麻薬の含有成分が少ないためか主に繊維を採るために栽培されます。夏の終わりに茎を刈り取り、皮を剥いで、繊維とし、衣服の材料とします。今では、木綿や合成繊維が普及していますが、それまではクズや、カラムシ、カジノキ、フジ、コウゾ、アサから繊維を採っていました。
大麻
大麻とは言っても同じアサのことですが、国によって含まれる麻薬成分の含有量が異なります。9世紀頃からインドで大麻の薬用使用が始まり問題化されました。大麻にはハシッシュ(hashish)、
ガンジャ(ganja)、マリファナ(marihuana)の種あります。ハシッシュは雌花の樹脂、ガンジャは未熟の果穂および葉、マリファナ、それぞれアサの葉から作られます。
万葉集 第7巻1298番歌
作者:柿本人麻呂 題詞:寄衣>
原文
干各 人雖云 織次 我廿物 白麻衣
よみ
干(かに)各(かくに) 人(人は)雖云(言えども) 織(おり)次(継、つがむ) 我(わが)廿物(機物、はたものの) 白麻衣(しろあさごろも)
意味
あれこれ 人は言うでしょうが 今織っている 白い麻衣を織り続けます。
転じて
人はあれこれ言うでしょうが 私(男性)はずっとあの人(女性)を思い続けます。
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特集 万葉集でよまれた草木
一般名:アサ(麻)、学名:Cannabis sativa)、又名:カンナビス・サティーバ(Cannabis sativa)、タイマソウ(大麻草)、Hemp、分類名:植物界被子植物真正双子葉類バラ目アサ科ムクノキ属ムクノキ種、草丈:1~3m、葉形:掌状複葉、葉序:互生、小葉形:披針形、葉縁:鋸歯状、雌雄異株、雌雄異花、開花期:5〜6月、雄花花序:円錐花序、雄花色:黄緑色、花被片数:5,雌花色:緑色、結実期:6〜7月、果実:卵形で棘有、種子色:濃緑色。