スミレ
万葉集でよまれた草木, 季節-春,王妃の愛した花
- 花名スミレ
- 学名Viola mandshurica
- 別名スモウトリグサ, Viola, 菫, ビオラ, 相撲取草, すみれ
- 原産地日本、朝鮮半島、中国
- 開花場所野原・畦道, 低山, 鉢花
- 開花期3月, 4月, 5月
- 花言葉一般:「謙虚」、「誠実」、白:「無邪気な恋」、紫:「愛」、ピンク:「愛」「希望」
スミレとは
スミレ(学名:Viola mandshurica)とは、日本、朝鮮半島、中国原産で、スミレ科スミレ属の多年草の野草の総称です。狭義的には、Viola mandshurica の品種をスミレと呼びます。
葉には少し長めの葉柄がありハート型をしていることが多いです。
春に山辺や野原、道端に可憐な小花を咲かせます。
花は左右相称花で単頂花序につけることが多いです。
花色は紫色が代表色ですが、白花や黄花もあります。
スミレには花弁が5枚あり、上の花弁2枚を「上弁」、両側の2枚を「側弁」、下の1枚を「唇弁」と呼びます。
唇弁の基部は膨らんで後ろに突起した「距(きょ)」があるのが特徴です。
距を引っ掛けあって遊ぶことからスモウトリバナ(相撲取花)や、スモウトリグサ(相撲取草)とも呼ばれます。
パンジーはスミレ(菫)の園芸品種です。
スミレの有茎性品種と無茎性品種
スミレには有茎性と無茎性品種があります。
スミレ無茎種
無茎性とは、地上茎が発達せず、葉や花柄が根元から出る品種で、
スミレ(学名:Viola mandshurica)、
アメリカスミレサイシン(亜米利加菫細辛、学名:Viola sororia)、
シハイスミレ(紫背菫、学名:Viola violacea)、
ヒゴスミレ(肥後菫、学名:Viola chaerophylloides var. sieboldiana)、
ヒメスミレ(学名:Viola inconspicua subsp. nagasakiensis)、
ナンザンスミレ(南山菫、学名:Viola chaerophylloides)、
アカネスミレ、アケボノスミレ、アナマスミレ、アリアケスミレ、エイザンスミレ、コスミレ、コミヤマスミレ、シロバナツクシコスミレ、スミレサイシン、ヒトツバエゾスミレ、ヒナスミレ、ヒメミヤマスミレ、ヒカゲスミレ、フモトスミレ、ナガバノスミレサイシン、ノジスミレ、マルバスミレ、マキノスミレ、リュウキュウコスミレ
などがあります。
スミレ有茎種
有茎性とは、地上茎が伸びて、葉を互性して出す品種です。
アオイスミレ(葵菫、学名:Viola hondoensis)、
オオタチツボスミレ(大立坪菫、学名:Viola kusanoana)、
オオバキスミレ(大葉黄菫、学名:Viola brevistipulata)、
タチツボスミレ(立坪菫、学名:Viola grypoceras)、
ツクシスミレ(筑紫菫、学名:Viola diffusa)、
ツボスミレ(坪菫、学名:Viola verecunda)、
ニオイスミレ(匂菫、学名:Viola odorata)、
エゾノアオイスミレ、エゾノタチツボスミレ、キスミレ、コタチツボスミレ、サンインタチツボスミレ、ダイセンキスミレ、ナガハシスミレ、ナガバタチツボスミレ、ニオイタチツボスミレ、ビオラ
スミレを愛した王妃
マリーアントワネット王妃はバラと共にスミレを愛しました。
万葉集で詠われたスミレの歌
スミレはタチツボスミレやスミレという名前で万葉集で詠まれています。
万葉集 第8巻 1424番歌
原文
春野尓 須美礼採尓等 来師吾曽 野乎奈都可之美 一夜宿二来
作者:山部宿禰赤人(やまべのすくねあかひと)
題詞:山部宿祢赤人歌
よみ
春(はるの)野(の)尓(に) 須美礼(菫、スミレ)採(摘み)尓(に)等(と) 来師(し)吾(我)曽(ぞ) 野乎(を)奈都可之美(懐かしみ)
一夜宿(寝)二(に)来(ける)
↓
春の野に 菫(スミレ)摘みにと 来し我ぞ 野を懐(なつ)かしみ 一夜(ひとよ)寝にける
意味
春の野に 菫を摘みに来た私だが 野が懐かしくて 一夜野宿してしまった。
一般名:スミレ(菫)、
学名:Viola mandshurica、
別名:ビオラ(Viola)、スモウトリグサ(相撲取草)、
原産地:日本、朝鮮半島、中国、
分類名:植物界被子植物真正双子葉類キントラノオ目スミレ科スミレ属オオバキスミレ種、
草丈:5~15cm、
開花期:3~5月、花色:紫・白・黄、
食草とする昆虫:タチツボスミレやエゾノタチツボスミレにギンボシヒョウモウンの幼虫。