松の木ばかりがまつじゃない🎍1.万葉集の草木1.松
「世界の国花」シリーズは残すところあと4ケ国となりました。現在最後のイラストを有紀さんが描いてくれています。
本日から「万葉集でよまれた草木」シリーズを並行して始めます。万葉集とは、現存する日本最古の和歌集です。
万葉集と松
万葉集でよまれた草木の中には、松(まつ)を詠った歌が79首あります。アカマツやクロマツの別は無く「松」という名で登場します。
万葉集の草木シリーズ1.マツ
マツ(松、学名:Pinus)と言えば、アカマツ(赤松、学名:Pinus densiflora)と、クロマツ(黒松、学名:Pinus thunbergii)に代表されますが、万葉集でうたわれる松はアカマツとクロマツを総称したものです。
万葉集 第4巻 623番歌
作者:池邊王(いけべのおおきみ)
題詞:池邊王宴誦歌一首
池辺王の宴に誦うたふ歌一首
原文
松之葉尓 月者由移去 黄葉乃 過哉君之 不相夜多焉
読み
松之(の)葉尓(に) 月者(は)由移(ゆつ)(り)去(ぬ) 黄葉(もみちば)乃(の) 過(ぐれ)哉(や)君之(が) 不相(逢はぬ)夜多焉(多き)
↓
松の葉に 月は移(ゆつ)りぬ 黄葉(もみちば)の 過ぐれや君が 逢はぬ夜ぞ多き
意味
松の葉に 月は移って 時は過ぎ あなたに 会わない夜が多くなったわ。
注記
「まつ」の使われ方、他
「松の」に「待つ」の意味がかけられている。「黄葉」は「過ぐ」にかかる。
「君」は女性から男性を呼ぶ呼称ですが、「宴に誦うたふ歌」というタイトルなので男性が女性の気持ちを表した歌ではないかとされます。
松の木ばかりがまつじゃない🎍万葉集でよまれた草木シリーズ1.松 かぎけん花図鑑 花日記2022年12月14日
特集 万葉集でよまれた草木