フキ
万葉集でよまれた草木、野、
- 花名フキ
- 学名Petasites japonicus
- 別名Edible burdock, Fuki, 蕗, フキノトウ
- 原産地日本、朝鮮半島、中国
- 開花場所野原・畦道
- 開花期2月, 3月, 4月, 5月
- 花言葉公平
フキとは
フキ(蕗、学名:Petasites japonicus)は、日本、朝鮮半島、中国原産でキク科フキ属の多年草の山菜です。草丈が20~30 cmと低い。雌雄異株です。葉には葉柄があり、葉は腎臓状円形をしています。
初春に、地下茎から花茎を出して、それぞれ頭状花序を伸ばし黄色または黄緑色の花(フキノトウ、ふきのとう、蕗の董)を咲かせます。雌株には糸状の白花せ、雄株には薄黄色の筒状花が咲きます。花が咲き終わった後に地下茎から葉柄(フキ、蕗)を伸ばし、雌株は花茎を伸ばして結実します。繁殖は地下茎で行いますが、地下茎は有毒で食べられません。
食用となる部分は、花(フキノトウ)と、花後に伸びる葉柄(フキ)です。フキのブランドには、ラワンブキ(北海道)や、秋田蕗(秋田)があります。通常出回っているものは栽培されたミズブキ(水蕗)が多いです。アイヌの伝承では、フキの葉の下にコロポックル(Koropokkur)という妖精(小人)が住むとされます。
万葉名は春菜で、万葉集で詠われています。
●フキの調理方法-山菜の例にもれず、フキはアクが強いので、アク抜き後に調理します。
●代表的な食べ方-醤油と日本酒、砂糖で煮詰めて濃いきゃらいろ(伽羅色)にし濃付けも濃い佃煮にした「キャラブキ(きゃらぶき、伽羅蕗)」やフキを醤油と鰹節で煮た「蕗の土佐煮」、また漢方としても用いられます。
●家畜には有毒-花と茎は人間の食用になりますが、ウマ(馬)や、シカ(鹿)などの草食動物には有害で酔ったようになります。アセビ(馬酔木、学名:Pieris japonica subsp. japonica)と同様、家畜はフキを食べません。本能的に毒であることを知っているのでしょう。
万葉集 第8巻 1427番歌
作者:山部赤人 題詞:山部宿祢赤人歌四首
原文
従明日者 春菜将採跡 標之野尓 昨日毛今日母 雪波布利管
読
従(より)明日者(は) 春菜将採(摘まむ)跡(と) 標(しめ)之(し)野(の)尓(に) 昨日毛(も)今日母(も) 雪波(は)布利(降り)管(つつ)
↓
明日よりは 春菜摘まむと 標し野に 昨日(きのふ)も今日(けふ)も 雪は降りつつ
意味
明日から 春菜(はるな=蕗の薹)を摘もうと 標(しめ)し野(*)に 昨日も今日も 雪が降り続いている。
*標し野(しめしの)とは、禁野(きんや)のこと。皇室御用達で、一般人立入禁止の野。
一般名:フキ(蕗)、学名:Petasites japonicus、別名:Fuki(フキ)、Giant Butterbur、分類名:植物界被子植物真正双子葉類キク目キク科フキ属、原産地:日本 分布:北海道〜本州、四国、九州の日本、朝鮮半島、中国、サハリン、草丈:20~30 cm 葉柄色:薄緑 葉形:腎臓状円形、雌雄異株、花序形:頭状花序、花色:白(雌株)、薄黄(雄株)、小花の径:0.7~1 cm、開花期:2月〜5月(花)、収穫期:3〜10月(葉柄)。