チョウジザクラ
Cerasus apetala var. tetsuyae
- 花名チョウジザクラ
- 学名Cerasus apetala var. tetsuyae
- 別名Cerasus apetala, 丁字桜
- 原産地日本
- 開花場所低山
- 開花期3月, 4月
チョウジザクラとは
チョウジザクラ(丁字桜、学名:Cerasus apetala または Cerasus apetala var. tetsuyae)は日本原産でバラ科サクラ属の落葉広葉小高木です。本州東北南部の太平洋側や九州の山地に自生する桜の原種の一つです。原種については桜を、サクラの特集は「特集桜」をご参照ください。
樹高は3~7mです。3月下旬~4月上旬に、葉が開く前に、葉腋から1~3輪花を下向きに咲かせます。花は、花径2cmと小さく、花色は白~淡紅色の五弁花、一重咲きで平開し、赤く長い萼筒が目立ちます。萼筒が横から見ると香料の丁字に似ているこが名前の由来です。桜としては観賞価値は低いとされます。
他の品種と種間雑種が作られ、チチブザクラ(秩父桜、 Cerasus ×chichibuensis )は丁字桜(C. apetala var. tetsuyae)とエドヒガンの自然雑種です。
桜の原種
桜の原種には10種+カンヒザクラ1種(後に野生化)の11種があります。
ヤマザクラ(山桜、学名:Cerasus jamasakura または Prunus jamasakura)、
オオシマザクラ(大島桜、学名:Cerasus speciosa または P. lannesiana var. speciosa)、エドヒガン(江戸彼岸、学名:Cerasus spachiana、または Cerasus itosakura、Cerasus itosakura f. ascendens、 P. pendula f.ascendens、P. subhirtella var. ascendens)、
マメザクラ(豆桜、学名:Cerasus incisa または Cerasus incisa var. incisa)、
チョウジザクラ(丁字桜、学名:Cerasus apetala または Cerasus apetala var. tetsuyae)、
オオヤマザクラ (Cerasus sargentii)、カスミザクラ(Cerasus laveilleana, P. verecunda)、タカネザクラ(Cerasus nipponica)、ミヤマザクラ (Cerasus maximowiczii)、クマノザクラ(Cerasus kumanoensis) 、
カンヒザクラ (Cerasus campanulata)
万葉集とサクラ
桜の原種には、ヤマザクラ、オオシマザクラ、エドヒガン、カンヒザクラ、マメザクラ、チョウジザクラ、オオヤマザクラ、カスミザクラ、タカネザクラ、ミヤマザクラ、クマノザクラがありますが、ここではまだ花日記に出ていない「チョウジザクラ」としました。
万葉集 第10巻 1867番歌
作者:不詳
題詞:詠花
原文
阿保山之 佐宿木花者 今日毛鴨 散乱 見人無二
訓読
阿保山之(の) 佐宿木(桜の)花者(は) 今日毛(も)鴨(かも)
散(り)乱(ふらむ) 見(る)人無(し)二(に)
↓
阿保山の 桜の花は 今日もかも 散り乱ふらむ 見る人無しに
意味
阿保山の 桜の花は 今日も 散り乱れているでしょう 見る人も無いままに
一般名:フチョウジザクラ(丁字桜)、学名:学名:Cerasus apetala または Cerasus apetala var. tetsuyae、別名:カンバザクラ、メジロザクラ、タニノドキ、分類名:植物界被子植物真正双子葉植類バラ目バラ科サクラ属、原産地:日本、生息分布:東北地方南部以降の太平洋側の山地、樹高:4~7m、葉色:緑→赤(秋に紅葉)、葉柄:短い、葉質:短い開出毛が密生、葉形:長楕円形~倒卵形、葉長さ:5cm、葉縁:鋸歯、葉序:互生、花径:2cm、花色:白~淡紅色、花の咲き方:一重咲き平開、花弁数:5枚、萼筒:赤く細長い+毛が密生、開花期:3月下旬~4月上旬 、用途:樹皮は工芸品に。