ジュウリョウ

Ardisia japonica

万葉集でよまれた草木, 季節-正月

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  • 花名
    ジュウリョウ
  • 学名
    Ardisia japonica
  • 別名ヤブコウジ, 薮柑子, 十両, marlberry, やまたちばな, ヤマタチバナ
  • 原産地日本、中国、朝鮮等の東アジア 
  • 開花場所野原・畦道, 鉢花
  • 開花期6月, 7月, 8月
  • 花言葉「明日への幸福」

ジュウリョウとは

一両の次は、十両でしょ。

ジュウリョウ(十両、ヤブコウジ、学名:Ardisia japonica)とは、サクラソウ科ヤブコウジ属の耐寒性常緑広葉小低木です。
別名で、ヤブコウジ(薮柑子)、英名で marlberry と呼ばれます。
藪中に自生する小さなマンリョウ(万両)という感じの木です。
樹高は10〜20 cmと低く、茎は直立し、枝分かれせず、根を伸ばし群生します。
葉は緑色で光沢があり、葉縁に細鋸歯があり、3〜4枚を輪生状にして茎につきます。
6月〜8月に葉脇から伸びた散形花序に直径0.4~0.8 cmの小さな広卵形で先端が5裂した白花を下向きに咲かせます。
11月~翌年5月に直径0.5〜0.6 cmの小さい球形の可愛い果実を付けます。この赤い実は半年間も落下しないため縁起が良い植物とされ正月の寄席植えに使われます。
後述するように旧貨幣貨幣では安い価格がつけられていますが、万葉時集では「ヤマタチバナ(山橘)」として歌にうたわれた由緒ある植物です。
用途は、鉢植えや、庭植、正月床飾りとされ、根茎にせきどめや湿疹の薬効があるとされ生薬「紫金牛(しきんぎゅう)」の材料とされます。


旧貨幣の名前が付く植物


旧貨幣の名前が付く植物には、マンリョウ、センリョウ、ヒャクリョウ、ジュウリョウ、イチリョウがあります。金額は、果実の多さや、樹高の高さに拠ります。
金額の多いものから順に以下の通りです。この内、センリョウはセンリョウ科、イチリョウはアカネ科、その他はヤブコウジ科の植物になります。

マンリョウ(万両、学名:Ardisia crenata)ーヤブコウジ科、
センリョウ(千両、学名:Chloranthus glaber)-センリョウ科、
ヒャクリョウ(百両、学名:Ardisia crispa)ーヤブコウジ科、
ジュウリョウ(十両、学名:Ardisia japonica )ーヤブコウジ科、
アリドオシ(一両、学名:Damnacanthus indicus)-アカネ科


花名の由来


別名の「ヤブコウジ(薮柑子)」とは、葉が蜜柑(ミカン)=柑子(こうじ)の葉に似ていることに拠ります。


花言葉


「明日への幸福」


花後の赤い美しい果実が万葉集で詠まれています


万葉呼名は、「やまたちばな(山橘)」で、十両=山橘として万葉集で詠まれています。

山橘を詠んだ万葉集の巻と作者名
万葉集 第20巻 4471番歌
作者: 大伴家持(おおとものやかもち),
題詞:冬十一月五日夜小雷起鳴雪落覆庭忽懐感憐聊作短歌一首

【原文】
氣能己里能 由伎尓安倍弖流 安之比奇乃 夜麻多知波奈乎 都刀尓通弥許奈

【よみ】
氣(消)能己里(残り)能(の) 由伎(雪)尓(に)安倍(あへ)弖流(照る) 安之比奇(あしひき)乃(の) 夜麻(山)多知波奈(橘)乎(を) 都刀(つと)尓(に)通弥(摘み)許奈(来な)

消残りの 雪にあへ照る あしひきの 山橘を つとに摘み来な

【意味】
消え残る 雪に照り映える 山橘(やまたちばな)を 手土産に摘んで来よう。

番外編
因みに、万葉集では「山橘」の他にもう一首「花橘」が読まれています。「花橘」とは「たちばな(橘)」=現在の「蜜柑(みかん)(現在の温州ミカンのように果実は大きくない)」のことで、花を主体とする場合は「花橘(はなたちばな)」と呼ばれ、果実を主体とする場合は、単に「橘(たちばな)」と呼ばれます。

一般名:ジュウリョウ(十両)、
学名:Ardisia japonica 、
別名:ヤブコウジ(薮柑子)、marlberry、
分類名:植物界被子植物真正双子葉類ツツジ目ヤブコウジ科ヤブコウジ属ジュウリョウ種 、
原産地:日本、中国、朝鮮等の東アジア、生活環境:藪内、
樹高:10〜20 cm、
葉質:皮質で光沢有、葉色:緑、葉の長さ:7〜15 cm、葉形:長楕円形、葉縁:細かい鋸歯、葉序:互生、
開花期:6月〜8月、花序の出る場所:葉脇、花序形:散形花序、花の咲く向き:下向き、花径:0.4~0.8 cm、花冠形:広卵形で先端が5裂、花色:白、
観賞期:11月~翌年5月、果実形:球形、果実径:0.5〜0.6 cm、果実色:赤、
用途:鉢植え、庭植、正月床縁起物、根茎は生薬「紫金牛(しきんぎゅう)」。

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一両の次は、十両でしょ。かぎけん花図鑑、2025年1月4日(土)
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  • 花のタイプ
    放射相称花
  • 花序
    散形花序/傘形
  • 花冠
    高杯形
  • 葉形
    長楕円形
  • 葉縁
    鋸歯状
  • 生活型耐寒性常緑広葉小低木
  • 花の色
  • 葉の色
  • 実の色
  • 高さ10.0 ~ 20.0 cm
  • 花径0.4 ~ 0.8 cm

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