特集 サクラソウ属(学名:Primula )
特集 サクラソウ属(学名:Primula )の花には、日本や、朝鮮半島、中国、ヨーロッパ原産の、サクラソウ科サクラソウ属の耐寒性多年草が含まれます。
サクラソウという名前は、サクラソウ属の仲間を含めた総称としても使われますので、日本桜草や西洋桜草(プリムラ)が含まれます。
日本の桜草
日本の桜草は、早春の3月~4月にかけて開花するのでカタクリなどど同様、スプリングフィメールと呼ばれます。
サクラソウには、江戸時代から栽培されている古典園芸植物=狭義の意味のサクラソウ(桜草、日本桜草、P. sieboldii)や、イワザクラ(P. tosaensi)、クリンソウ(九輪草、P. japonica)、ユキワリソウ(P. modesta)などがあります。その内、以下に狭義の意味でのサクラソウ(日本桜草)について詳細します。
海外の桜草
海外の桜草は西洋桜草やプリムラ(Primula)と呼ばれ、ジュリアンや、ポリアンサ、オブコニカなどがあります。
皮膚を刺激する成分があるので素手では触らない方が良いです。
サクラソウ属の種類
サクラソウ属の花には以下のような品種があります。
【日本のサクラソウの品種】和種
通常、プリムラとは呼ばず、サクラソウと呼んでいます。
サクラソウ(桜草、日本桜草、【狭義の日本桜草】、学名:Primula sieboldii)、
日本桜草 '鶯宿梅'(ニホンサクラソウ 'オウシュクバイ'、Primula sieboldii 'Ousyukubai')
日本桜草 ’目白台’(ニホンサクラソウ 'メジロダイ'、Primula sieboldii 'Mejirodai')
イワザクラ(Primula tosaensis)、
カッコウソウ(Primula kisoana)、
キバナノクリンザクラ(黄花の九輪桜、学名:Primula veris)、
クリンソウ(九輪草、学名:Primula japonica)、
、
【海外のサクラソウの品種】西洋サクラソウ(Plimula)
プリムラ(Primula)
プリムラ・アウリクラ(学名:Primula auricula)、
プリムラ・オブコニカ(Primula obconica)ー中国西部原産、トキワザクラ、
プリムラ・ジュリアン(Primula julian、学名:Primula × juliana)ープリムラ・ポリアンサ(P. polyantha)とプリムラ・ジュリエ (P. juliae)との交配種、茎が短く地面に接するように花を咲かせる
プリムラ・ベリス(Primula veris)、
プリムラ ベリス 'サンセットシェード'(Primula veris 'Sunset Shades')、
プリムラ・ポリアンサ(Primula polyantha)ー西洋サクラソウ、
プリムラ・マラコイデス(Primula malacoides)ー中国原産、オトメザクラ、茎が長く地面から離れた所で花を咲かせる、
プリムラ・マルギナータ(学名:Primura marginata)
プリムラ・メガセイフォリア(学名:Primula megaseifolia)
プリムラ・ロセア(学名:Primula rosea)ーヒマラヤ原産、ウスベニコザクラ(薄紅小桜)や、ヒマラヤコザクラ
など。
狭義の日本桜草の深掘り
日本原産のサクラソウ(桜草、日本桜草、学名:Primula sieboldii)は、江戸時代から大人気で、大切に育種・発展してきた品種で古典園芸品種とされるのでここで深掘りしておきます。
狭義の日本桜草 花の大きさ基準
小輪花:3cm未満、中輪花:3~4cm、大輪花:4~5cm、巨大輪花:5cm以上
狭義の日本桜草 花容
花容(かよう)とは「花のかたち」のことで花弁の開き方=「花の咲き方」を表します。
平咲きーじゃんけんの「パー」のように、花の形が横から見て平らに全開する咲き方。
浅抱え咲きー指先をやや内側に曲げたように、花弁先端がやや内曲して抱えるように見える咲き方。
梅咲きー「梅花」の咲き方のように、花弁がこじんまりと小さく内側に開く咲き方。
盃咲きー酒の盃のように花弁が少し筒状となる咲き方。
采配咲きー昔の戦国時代に総大将が指揮に使った道具「采配」のように花弁が下向きにしょんぼり開く咲き方。
抱え咲きー全花弁の先端が内曲して整然と抱き抱えるような咲き方。
狂い抱え咲きー「抱え咲き」のように整然とせず、狂ったように不規則に開く咲き方。
星抱え咲きー各花弁の先端が畳まれ尖って「抱え咲き」が星のように見える咲き方。
つかみ咲きーモノをつかんだ時のような咲き方。
玉咲きー花弁が開かず玉のような咲き方。
狭義の日本桜草 花形
花の形とは、花に花弁がどのように付くかを表します。
標準型ーバランスのよい花弁で他の花弁の基本となる形。
細弁ー標準型に比べて、横幅が狭い花弁。
広弁ー標準型に比べて、横幅が広い花弁。
桜弁ー花弁の基部が細い花弁。
重ね弁ー花弁が広すぎて他と重なってしまう花弁。
狭義の日本桜草 花弁先端の形
各花弁の先端の形による分類です。
桜弁ー桜の花弁のように、先端がハート形に2つに分かれる。
丸弁ー花弁先端は割れずに丸い。
梅弁ー梅の花弁のように、先端が2つに分かれ内曲する。
波打ち弁ー花弁先端がゆるく波状に割れる。
獅子弁ー先端だけでなく側面も、花弁が細分裂する。
微かがり弁ー花弁先端が微細する。
かがり弁ー「微かがり弁」よりさらに、先端の裂片の程度が増す。
深かがり弁ー「かがり弁」よりさらに、先端の裂片の程度が大きい。
狭義の日本桜草 花色
花の色と目による分類です。
無地ー模様や花弁基部に目が無い。
目白ー花弁基部の目が白い。
目流れー花弁基部に色が入り目が流れているように見える。
内白ー花弁内側が白い。
底白ー花弁底部が白い。
染み出しー花弁に染みがある。
曙白ー花弁に赤いまだら模様がある。
刷毛目ー花弁に筆で書いたような縦線が多数入る
絞りー花弁に絞染のような模様がある。
爪白ー花弁先端が白い。
覆輪ー花弁周辺に地色とは異なる色が入る。
狭義の日本桜草 花の付き方
花茎に花が付く付き方による分類です。
受け咲きー花が上向きに咲く。
横向き咲きー花が横向きに咲く。
うつむき咲きー重みのため花が下方向に咲く。
垂れ咲きー重みに関係なく花が下向きに咲く。
狭義の日本桜草 花柱
長柱花、飛出長柱花、僅長柱花、短柱花、同長花。
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